天狗缶詰･三河工場＜３＞
ＨＡＣＣＰ手法を業界に先駆け
天狗缶詰の三河工場は1999年４月に稼働を開始した。
うずら卵や鶏卵の水煮缶詰、及びレトルトパウチ製品の生産を主力とする。
食品メーカーにとって最大の課題であり責務である「安全な食品を供給する」ため、それまでの最終製品の品質管理という視点を切り換え、原材料の受け入れから出荷にいたる各工程で管理点を定め、危害の発生を未然に防ぐＨＡＣＣＰ方式を業界に先駆けて取り入れている。
最新設備で安心安全な缶詰
生産をめざす三河工場
今でこそＨＡＣＣＰといっても誰も驚かないが、当時は斬新な取り組みだった。
工場全体を「清潔作業区域」、「準清潔作業区域」、「汚染作業区域」に分け、作業中の各工程の計測データや管理情報を、工場中央部に設けた生産管理室に集積したことで、各工程の監視、異常に対するコントロールが迅速、正確にできるようになった。
加熱工程は別として、製造工程のエアーコンディショニング化も図った。汚染防止などの衛生面からほとんどの工程で定風空調を採用。採光を目的とした窓のほかは、無窓を基本として防虫･防鼠対策を徹底。
工場の重要なエリアとなる選別･充填加工場はドライ床とし、従業員のゴム長靴、前掛けも排除している。蒸気、水、注入液、エアーなどは縦配管を基本として、埃の堆積を防止する。
製品に使うアサリの異物混入を防ぐために、Ｘ線選別装置を導入したのをはじめ、自動的に危害を防止できる工程に対しては積極的に自動化、コンピュータ化を進めている。
また環境対策として、工場内で発生した汚水は排水処理場で浄化処理した上で放水。原料卵の殻も乾燥処理し、再利用している。
昨年の生産量はうずら卵43万ケース、鶏卵２万4800ケース、ソース類１万8000ケース、アサリ7000ケース、その他１万6200ケース、合わせて49万6000ケース。
工場に隣接して配送センターも備えた。敷地面積は２万4936�屐�建築面積9564�屬如∧欖蒜塾呂錬厩羇漫滷挟牝�り換算で約50万ケース。保管パレット数は9966、実際の入出庫能力は１日あたり２万ケース。さらに規模を大幅に拡大する計画だ。
同社のもう一つの生産拠点となる白鳥工場では、マッシュルーム、寒天類、豆類、おでん・麺缶類、フルーツ類、銀杏、椎茸類などを生産している。従業員は120人。