麺の専業メーカー、シマダヤは業務用冷凍麺で「市場のトレンドである“かたさ”のある食感」を「特鮮」ブランドで実現し、もう一方の柱「真打」ブランドの高品質・高付加価値・豊富なラインナップに対するポジションを明確化した。
麺に“かたさ”を加えるため、原料粉の配合を抜本的に改めるとともに、熟成工程を新たに加えた。麺に“かたさ”があるため、麺を茹で上げた後に食べるまでの時間がかかる惣菜、弁当、給食などの現場の苛酷なオペレーションに対応できる。
「特鮮」シリーズはうどん、日本そば、ラーメンの３タイプで、200gと250gの２種、いずれも市販用「稲庭風細うどん」で好評の２つに折りやすい特許技術“ミニダブル”を採用した。
「うどん」は従来配合しているでん粉を使わず、小麦と塩だけとし、麺の厚みを増してしっかりした弾力、粘り、かたさを強化した。
「日本そば」は新しい副原料を使い、熟成工程を新たに追加することで麺の組織が緻密になり、“かたさ”のある食感に強化した。
「ラーメン」は小麦粉のブレンドを見直し、“かたさ”のあるしまった食感とした。
「特鮮」ブランドを発売以来、30年ぶりの大型改訂。木下紀夫社長によれば「惣菜、弁当市場などでは、茹で上げてから食べるまでに１時間以上置かれることもある。これに耐えるためタフな“かたさ”が求められている。一方でシマダヤには独自の製麺に対するＤＮＡがある。独特のモチモチ感、のどごし、つや、コシはなかなか変わらないものだが、それを今回一新させようと考えた。開発に時間をかけて、自信作ができた」と語る。
従来の食感を残した「真打」シリーズは「特鮮」シリーズと併行して今後も継続する。
第１四半期の冷凍麺は、市販用が稲庭風細うどんの導入率アップと具付麺の貢献で７〜８％増、業務用は価格改定と新規客の獲得等により４〜５％増と好調に推移している。市販用チルド麺も数量、金額とも好調に伸びている。