(財)食品産業センターによれば、過去１年間に一般市場から製品回収を実施した食品企業は39％（51社）。大手メーカーに絞ると49％（31社）と半数近くが実施していたことがわかった。
昨年末実施した「食品企業における製品回収・社告に関する調査」結果で明らかになった。
食品事故の発生や拡大防止のための「対応マニュアル」を策定している企業は全回答者130社中、93社と72％にのぼった。このうち、大手企業は95％がマニュアルを策定していた。
製品回収の実態は食品会社の半数で経験しているが、さらに過去３年間（平成17〜19年）に広げると、実施企業は68％（43社）と高くなり、中小企業（従業員300名以下または資本金３億円以下）の43％に比べて大手企業の方が製品回収の実施率が高いことが分かった。
製品回収を実施した理由は「法令（ＪＡＳ、食品衛生法）違反」が51％と最も多かった。健康被害の程度については「通常は危害発生の可能性がない」と回答した企業が78％と最多だった。
１件当たりの製品回収コスト（社告は除く）は100万円以下が全体では39％と最多だったが、大手企業に限定すると5000万円以下が30％でトップだった。社告掲載コストは１件当たり2000万円超が30％と最も高く、多大なコストが掛かっている実態が浮かび上がった。