農林漁業金融公庫が11日公表した食品産業動向調査によると、08年上半期の景況は低下しているが、下半期も低下が続く見通し。
上半期の景況ＤＩ（動向指数）は▼19.2で、前回調査した07年下半期から0.2ポイント低下した。08年下半期の景況ＤＩはさらに0.9ポイント低下の▼20.1と予想している。
業種別で、上半期は小売業、飲食店が大きく低下し、下半期は製造業、卸売業、小売業、飲食店と、食品産業の全てで低下する見通し。
雇用判断ＤＩは6.3ポイント低下して2.9となったが、これは６期連続のプラス値であり、雇用の不足感は継続している。下半期は4.2ポイント上昇して7.1と不足感がさらに増大する。設備投資も抑制傾向で、ＤＩは6.3ポイント低下の▼9.2。
国内景気の見通しは「悪化する」が93.7％となり、前回調査時の75.7％に比べて増加した。国内産農畜水産物の使用割合平均は63.5％でわずかに増加し、国産回帰の兆しが見られた。小売業を除く、製造業、卸売業、飲食店で国内産食材の使用割合が高かった。
調査は全国の食品製造業、卸売業、小売業、飲食店から6896社を対象に７月１日に実施。回答率は35.2％。
ＤＩは、前年同期と比較して「増加する（楽になる）」の構成比から「減少する（苦しくなる）」の構成比を差し引いたもの。景況ＤＩは売上高、経常利益、資金繰りの各ＤＩを平均して算出した。