原料と加工、販売を一体化
  商品開発力を高める
    ――ニチモウ 松本和明取締役執行役員 食品事業本部長

松本取締役

 ニチモウの松本氏はこれまで食品の営業畑を長く歩み、すり身、カニの販売などに携わってきた。福岡支店長を経て、本社で健康食品「イソラコン」の新規販路として薬局ルートを開拓するなど活躍。今年6月に取締役に就いた。

 「今年6月に新任取締役に就任し、身の引き締まる思いだ。ニチモウでは食品事業部門を会社の中心的な事業として位置づけ、安定した収益確保を図ろうとしている。この使命に応えるべく、原料確保、加工、販売を一体化し、有機的な事業展開を図っていく」。

 「当社の食品事業は(1)カニ、(2)スケコ、(3)スリ身、(4)底魚、(5)ツナ、(6)加工食品の6つの柱からなっている。水産物は年によって市況の変動があり、いい年もあれば悪い年もある。しかし、扱っている商材の取り扱いを通じて利益を確保しなければならない。確実に利益を確保することが、食品事業部門に課せられた使命だ」
 「小池社長が打ち出した中期3ヵ年計画でも、食品事業部門を会社の中心に置き、安定した収益体質とすることを最大の目標としている」

 「カニ、スケコはマーケットが成熟しており、売上高が今後飛躍的に拡大することは望めない。そこで、原料取引に加え、加工度を高めたり、末端に近いところに販売するなど、多角的な仕組みで利益を確保しなければならない。このため、カニやスケコでは原料売りだけでなく、関連会社、あるいは中国の工場などを通じて加工事業も展開していく」

 「すり身は、カニやスケコと動き方が異なる。これまでは売れるすり身を調達し、販売を拡大させればよかったが、今後は仕入れに力を入れなければならない」
 「底魚は他の商材と比べて歴史が浅いため、販売力が不足している。中国へ加工原料として供給するなど販売を強化していく」

 「加工食品では、末端のニーズを捉えた新商品の開発にも取り組みを強化する」
 「それぞれの販売については、グループ会社の役割を明確にし、協力体制で取り組む」