保湿冷却で生鮮青果を旬のまま凍結
フードマシンプロジェが用途開発提案
フードマシンプロジェ（FMP）は果実や野菜を急速凍結し、「旬のままの状態で保存・解凍・復元できる」というEVER FRESHシステムを提案している。
果物なら柿、房のままの葡萄、ラフランスなど、野菜であればきゅうり、海ぶどうなどが生鮮品として販売できるレベルに凍結でき、稲荷寿司、棒寿司などの調理品にも対応できるという。
同社によれば、果実や野菜などの特性（熟度、細胞膜の強度など）に合わせた凍結をすることがポイントで、専用の凍結装置「パスカル」には「微小温度差冷却」ソフト（MDTCエンジン）を組み込んでいるという。このソフトは�‐ι覆良縮眠硬戮斑羶寛硬拑広�庫内湿度と商品の中心湿度差を自動的に解析し、商品に最適な冷却を行なうよう機器の出力や風をコントロールする。これにより水分含有量を確保して乾燥による歩留まり減少を抑制でき、空気含有量を確保することでボリュームの保持ができ、予冷なしで冷却できるという。
したがってブラストチラーや真空冷却のように乾燥による歩留まりが少ないことも利点の一つと言う。
真空パックしてエバーフレッ
シュシステムで凍結した柿
果物の場合は洗浄などの前処理の後に｢熟度調整装置」で熟度を均一にしてから凍結することで、再現性を高める。きゅうりを棒状にカットして凍結し、かっぱ巻きの芯に使うこともできる。
同社ではアセロラのように収穫後すぐに熟成してしまい流通しにくい果物や、生鮮で葉通年販売できない柿などの果実などに提案しているが、「生鮮が安価な野菜などはメリットを見つけにくく、用途開発が難しい」（営業技術チーム石井朗充部長）として、ユーザー側からの凍結テストを希望している。
大量処理向けの連続凍結や、既存のフリーザーにMDTCエンジンを組み込んで利用することも可能と言う。