Ｂシーズンのスリ身
予想に反し百円の大幅値上げに
大手スリ身ディーラーによると、このほど行なわれた米国Ｂシーズンの買い付け交渉の結果は予想を超える大幅の値上がりとなった。各サイズとも�堙�たり100円の大幅アップでＳＡ級は660円、ＦＡ級は630〜640円、Ａ級は580円、ＫＡ級は520円、Ｂ級は490円、ＲＡ級は3ドル70セント（買い付け数量により若干変動がある）となった。
交渉前の予想では、Ｂシーズンのスリ身価格はすでに天井相場であるため、上級ものは年末のおせち需要を控えて不足感のあるＦＡ、ＳＡ級が若干の値上がりとなるものの、すそ物は道産スリ身の増産に加え、今後漁期を迎える東南アジア産のスリ身が米国産の高値を背景にして搬入が増えるため、据え置きとなるだろうという見方が強かった。
しかし、実際の交渉では米国生産者は「欧州での価格が�堙�たり100円アップでまとまった。日本側に同じ価格での買取りを求める。価格を飲まない場合は、全量欧州向けとする」として、押し切られた格好となった。
今年のスリ身原料をめぐる状況は、米国のスケソウダラの漁獲枠が28％減の100万ｔになったことから、先行き供給減の予想となり、Ａシーズンでは、各クラスで80円値上げされ、Ａ級はディーラー渡し価格が�堙�たり480円となっている。これは昨年Ｂシーズンに行われた同40円から50円の値上げに続き、大幅な値上げとなる。大手ディーラーはＢシーズンの価格交渉前に「水産ねり製品メーカーでは、2度の製品値上げにより20％程度の価格転嫁をしているが、価格の改定により製品の動きはスローになっている。これ以上の製品価格の改定は行えない。このため原料のスリ身価格については天井相場であるといえる」として、Ｂシーズンのスリ身価格については、極力値上げに抵抗する姿勢で臨んでいた。
しかし、インフレ経済で物価上昇が続く欧州側の買い付けは予想以上に強く、Ｂシーズンに�堙�たり100円アップで買い付け、Ａシーズンは買い付けを行わなかった韓国も欧州価格に追従したため、日本側もこれを飲まなければならない状況に追い込まれてしまった。
すでに国内の水産ねり製品価格は天井である中であることから、製品価格との大きなギャップをどう埋めるか、大きな課題を背負うこととなった。
米国のすり身漁船