ホタテ輸出工場に融資

 日本政策金融公庫(日本公庫)札幌支店はEU向けホタテ輸出に取り組むモリタン(北海道紋別市、平井章裕代表)が紋別に建設した対EU・HACCP対応のホタテ加工処理施設にこのほど融資した。紋別地区では初めての対EU・HACCP認証取得。工場はすでに竣工し、稼働している。同社では「(今回の取得により)安全性の高い生産体制を構築し、付加価値を高め、紋別産ホタテのブランド力向上を図る」と期待している。
 モリタンは水産・農産冷凍食品や調理冷凍食品、ミールなどの製造・販売のほか、沖合底引き網漁業など幅広い事業を展開している食品メーカー。紋別地区では、ホタテなどの冷凍食品やスリミを、岩見沢地区では地元農家と契約して業務用コロッケを製造するなど、自社一貫体制で北海道産食材にこだわった商品を全国に提供している。
 紋別沖の網走北部海域が2012年8月に対EU向け輸出ホタテ生産海域として追加指定されたことに伴い、EU向けホタテ輸出に向けた加工施設の建設を決めた。
 日本公庫は同社のこれまでの経営実績や高度な衛生管理による国産水産物輸出への取り組みを評価し、加工施設建設資金を融資した。
 同札幌支店は今年5月に「農林水産物・食品に係る海外展開相談窓口」を設置し、国産農林水産物・食品の輸出促進や国際競争力の高い経営体の育成・支援を進めている。