2017年の発売以来、多くの外食チェーンに採用され
た「ハイスピードオーブン Benefit」(NE-SCV2)
パナソニックはSDGsをテーマに冷凍食材を活用した「フードロスZERO」レシピを開発し、高速加熱オーブンを使って提供する実証実験を東京有明の「パナソニックセンター東京」で開始した。
多様性に配慮したヴィーガン料理などをセンター内に今年4月オープンした体験施設「AkeruE(アケルエ)」カフェで12月26日まで販売する。記者発表会とトークイベントを10月31日行った。
冷凍食材を活用したオリジナルレシピは「シンプルマルゲリータピザ」、「きのことコーンのヴィーガンピザ」、「エビミートドリア」、「ヴィーガンドーナツ」など。東京青山にあるレストラン「The Burn(ザ・バーン)」の米澤文雄シェフと共同開発した。
調理にはパナソニックのハイスピードオーブン「Benefit」を使用する。高速コンベクションとレンジ機能で調理済みの食品を冷凍状態から一気に焼き上げる。事前解凍が不要なため、スピーディに調理できるだけでなく、需要予測のズレによる廃棄ロス削減が可能になる。最大1000メニューのメモリー機能を搭載しているため、誰でも同じ味を再現できる。
キッチン空間事業部調理機器ビジネスユニット長の捧雅之常務は「今回のプロジェクトを皮切りに外食産業向けに(SDGs対応の)ソリューションを提供していく」と語った。
右から米澤シェフ、神宮司代表、木下社長
トークイベントには米澤シェフをはじめ、特殊冷凍機の専門商社、デイブレイク(東京都品川区)の木下昌之社長、ヴィーガン&グルテンフリーのスイーツブランド「UPBEET!Tokyo(アップビート東京)」を展開する神宮司希望代表が出席した。「食とSDGsを楽しもう〜MOTTAINAIの進化と多様な食とは?」をテーマに意見を交わした。
木下社長は「食材の鮮度を保てれば、旬の時期ではないときにおいしい食品を届けることができ、価格変動に影響されない。こうしたサービスの実現をめざしたい」と語った。米澤シェフも「生産者たちは旬ではない時期の食材提供に無理をしている。鮮度を保ったまま保管できれば生産者、料理人にとっても素晴らしい」と賛同した。
また、食を次世代につないでいくために必要なこととして生産者らとの連携を全員が挙げた。神宮司代表は「ヴィーガンスイーツを海外の食材に頼らず、日本の食材で作りたい」と語り、日本発のヴィーガンスイーツを海外に発信すると意欲を示した。
ハイスピードオーブンを使って調理する米澤シェフ、「冷凍食材との組み合わせによって簡単、
スピーディーにおいしいメニューを提供できる」
オリジナルレシピの1つ、「きのことコーンのヴィーガンピザ」