ダイエーは、マーズカンパニー(群馬県高崎市)が開発した生鮮品の新コールドチェーンシステム「蔵番熟鮮市場」を導入し、これに最先端の製氷技術「sea snow」と高鮮度保持冷蔵装置「Kuraban(蔵番)」を組み合わせて魚を高鮮度のまま輸送する実験販売を開始した。
sea snow
刺身用の「生にしん」や「生ほっけ」など、今までの流通システムでは運べなかった“旬”の鮮魚を提供することが可能となる。特に鮮度劣化が早いため北海道以外ではほとんど流通しなかった鮮魚を提供する。
新コールドチェーンシステムの「蔵番熟鮮市場」は、マーズカンパニーが構築した新しい生鮮物流システム。sea snowとKuraban(蔵番)を組み合わせることで、商品の劣化を抑制し、長期間にわたり高鮮度を保持する。
sea snowは海水・塩水を使用してできる雪状の氷により、氷温マイナス1℃、塩分濃度1%を長時間維持するため、鮮度劣化を長時間抑制する。
魚の体液とほぼ同等の塩分濃度で浸透圧差が生じないため、魚体から体液が流れ出さない。雪状の氷のため、通常の氷より約4%軽量で、輸送中の魚体への干渉傷を防ぐ。
Kuraban(蔵番)
Kurabanは高鮮度を保持する冷蔵技術で、緻密な温度コントロールと電場(高圧交流電流)を組み合わせた高機能な冷蔵装置。
生鮮品の鮮度保持期間が通常の冷蔵庫の3〜5倍(長いもので半年から1年)に延びるだけではなく、菌の抑制、調理期間の短縮などユーザーニーズに応じた食材の保蔵・流通、加工まで幅広い利用方法がある。
sea snowを使って輸送した鮮魚の販売はダイエーいちかわコルトンプラザ店(千葉)で実験販売を1日実施した。今後、効果を検証した上で、販売店舗の拡大をめざす。