高温スチームフライで「肉だんご」を加熱
自動串刺し機を増設、フリーザーは最新省スペース型
ケイエス冷凍食品 泉佐野工場 −2−

 従来の「エビのチリソース」の生産設備を移設し、今回新設した「鶏つくね串」ライン(第4ライン)。
 原料鶏肉を処理し、調味液などを調合。丸型に成型してフライヤーに。素揚げしたあと、タレをからめてトンネルオーブンで加熱。完成した「鶏つくね」ボールは85℃前後の高温だが、これをスパイラル式の冷却機で35〜45℃に下げる。
 「鶏つくね」ボールは整列させて串刺し機に。丸い形状の「鶏つくね」の真ん中に串を刺す(シンクロさせる)高度な技術が必要だが、国産加工機械メーカーの協力でクリアした。従来の2台を3台に増やした。これで泉佐野工場の「鶏つくね串」の生産量は従来の三割増しとなった。
 さらに、「鶏つくね串」は球状の食品の前後に串が飛び出ている複雑な形状になるわけだが、この串をロボットアームが8本ずつ正確につかみ、トレーに整列させる。

 業務用「肉だんご・タレなし」ライン(第5ライン)は昨年のリニューアルで整備した。原料肉を処理し、ボール状に加工してフライヤーへ。ここでは「スチームフライヤー」が活躍している。
 通常の蒸気加熱では98〜100℃の加熱温度が限界だが、蒸気をさらに加熱することで125℃の高温スチームフライ調理を可能とした。
 スチームフライした「肉だんご」は冷却し、トンネルフリーザー(前川製作所)で凍結する。フリーザー内部が「Z」型になっており、ラインスペースを大きく割かなくても長いトンネルを通った状態でフリージングができる。
 仕上がった「肉だんご」(タレなし)はコンピュータスケール(イシダ製)で袋詰めし、床の中央から降りているコンベアで3階に搬送する。業務用は様々な規格が要求されるので、受注規格に応じてコンピュータでデータを打ち出し、ラベルプリンターで対応している。

最新型のフリーザーを導入した(前川製作所)

小袋内の空気を「スチーム」で脱気、高速処理を可能にする新技術

 市販用「肉だんご」ライン(第1ライン)は今回大幅にリニューアルした注目のライン。
 従来の1パック6個×2袋を、世帯当たり人口の減少などにあわせて使いやすくするため、3個×4袋入りに改良した。1パック当たり2袋を4袋にするのだから、単純作業量は2倍に増える。これを「スチーム脱気」という業界初の技術でカバーした。
 小袋にタレを入れて「肉だんご」を3個充てんする。この際、だんごが入ることでタレが飛び散らないように、下から袋をはさむ形でアームが伸び、肉だんごの落下の衝撃を抑える。
 タレと肉だんごが入った小袋の中にノズルが入り、高温蒸気を出すと、袋の中の空気が外に出る。スチームを使うことで「袋の中がほぼ真空状態になる」(金森正雄執行役員生産本部長)。袋の中に余分な空気が残らないため、食品の劣化が進まず、ボイル加熱する際も空気で袋が浮き上がらない。
 脱気する際、真空処理では作業性が劣るため、新技術の「スチーム脱気」を採用した。国産のスチーム脱気式高速充填機(東京自働機械製作所製)を3台導入。3台で毎時1万5000袋の処理ができるため、小袋処理量が2倍になっても「生産量は落ちない」(金森本部長)という。

 充填機に「肉だんご」を供給する前工程では、コンベアで搬送されてきた「肉だんご」が斜めのスロープに集まる。スロープには2個孔と1個孔が一列に計6個分開いており、スロープを登りながら孔に収まる仕組み。その先のコンピュータスケールで数を調整しやすいように、2個孔と1個孔の製品を自動的に組み合わせる。肉だんごの供給スロープは自動充填機に合わせて計3面。スロープの角度がそれぞれ微妙に異なっており「角度の違いによる生産効率を実験している」という。

 3階は包装工程。肉だんごのバラをフィルム包装する部分はクリーンルームにしている。段ボール詰めし、金属検知器などを通して、ロボットアームでパレット積みする。
 フードディフェンスに取り組むため、工場入口には監視カメラを設置し、入場許可カードを導入した。

高速充填機(写真)の導入で「肉だんご」の生産量を維持している

肉だんごの供給はスロープ状になっており、コンピュータで調整する