守谷輸送機「後進育成は順調」、株主質問に回答
守谷社長
大型荷物用エレベーターでシェアトップの守谷輸送機工業（横浜市、守谷貞夫社長）は定時株主総会を横浜市内で29日開催した。個人株主ら約20名が出席した。
事業報告の中でｅコマース市場の拡大や物流施設の大型化、生産拠点の国内回帰を背景に新規設置の需要が好調に推移した一方、鋼材をはじめとする資材価格の高止まりなどが足元の収益を押し下げたと説明した。
売上高は前期比11.0％増の154億1600万円、営業利益は57.2％減の７億7700万円、経常利益は56.9％減の７億9100万円、純利益は６億4100万円となった。
今期も事業環境は同様の動きが続くとしたうえで、�“稜箍然覆慮�直し、��工場の新設等による生産能力・据付能力の拡充、��首都圏に加えて大阪、名古屋、福岡における保守修理・点検業務の内製化（自社能力向上）、�は�働環境の充実化や知名度向上による優秀な人材の獲得の４点を「対処すべき課題」に挙げた。
守谷社長が営業本部長を当面兼務
決議事項の上程後、株主１名が質問に立った。今年３月末に宮本公夫常務取締役営業本部長が病気療養のため辞任した後に、守谷社長が営業本部長を兼務し続けていることについて「次の世代が育っていないことは問題。どう対応するか」と指摘した。
これに対し、守谷社長は「自分は（50年以上前の）入社当時は営業を一手に担っていた。今も客先のことはよく知っており、不利になることはない。責任者として務める」と語り、当面は兼務を続ける姿勢を示した。
土屋寛取締役管理本部長兼総務部長は若手社員らが守谷社長や宮本常務のもとで営業経験を積んできたこと、後に支店長を務め、今回の新任役員候補にも名前が挙がっている人材がいるなど、後進育成が順調に進んでいることを説明した。
決議事項は剰余金配当（期末１株７円50銭、年間15円）、取締役９名の選任、退任取締役に対する退職慰労金の贈呈、役員退職慰労金制度の廃止の５議案。いずれも承認可決した。
閉会後、新たに取締役に就任した土屋貴弘東京支店長（50歳）、矢部匠工事部長（43歳）を紹介した。