高防湿性のレトルト食品フィルム

 クラレはレトルト食品包装用の透明ガスバリアフィルムに高い防湿性を付与した「クラリスタCF」を開発、本格的な販売を開始した。現在主流となっているアルミ箔を使用した積層フィルムからの代替を推し進めるとともに、レトルト包装化が進む流動食や医療分野、ペットフードなど食品包装以外の分野にも積極的に提案する。

クラリスタCFの使用例、スタンド袋・平袋形態のレトルト
袋用のバリアフィルム材料として最適

 単身者の増加や高齢化の進行などにより、レトルト食品や惣菜などの利用が増加している。電子レンジでの加熱調理が可能、焼却時の残さが発生しない、金属探知機による異物検査が可能という理由から、主流のアルミ箔を使用した積層フィルムからガスバリア性のある透明積層フィルムの伸長が期待されているため開発した。
 特徴は、(1)プラスチックフィルムとしては最高レベルのバリア性能(酸素・水蒸気)を発揮、(2)レトルト処理後も高いバリア性を維持するため内容物の変化が少ない、(3)幅広いレトルト条件に対応、(4)延伸、屈曲、摩擦などの物理的ストレスがかかってもバリア性の低下が少ない、(5)電子レンジでの加熱調理が可能、(6)透明性が高く、内容物の視認に優れている、(7)印刷、ラミネートなどの加工が良好、(8)溶剤系インク、水性インクともに直接印刷できる、(9)金属探知機の使用が可能、(10)焼却時の残さ、有毒ガスの発生がない――など。
 初年度の販売目標は20億円を掲げている。