パッケージコンテスト、入賞136作品を表彰

  審査委員長の小野拡邦東京大学名誉教授

 日本包装技術協会は今年40回目を迎えた「2018日本パッケージングコンテスト」の表彰式を東京ガーデンパレスで8月29日開催した。包装技術やデザイン、ロジスティクス、販売促進、アイデアなど多岐にわたる審査基準で入賞136作品に各賞を授与した。応募作品数は419件。3年連続で400件を超えた。
 経済産業大臣賞はソニーの「aiboパッケージ」、経済産業省産業技術環境局長賞はファンケルの「マイルドクレンジングシャンプー、モイストボディウォッシュ」、同省製造産業局長賞はTOTOの「段ボールのバネ性を利用した“慣れない”緩衝仕切」をそれぞれ受賞した。
 食品、飲料包装も数多く出品され、フジッコは「リシールカップ佃煮小鉢」が消費者団体推薦賞を受賞した。カップ入り佃煮のトップシールにリシール機能を付与し、この機能を最大限発揮できるよう容器・包装機を同時に開発して硬質容器への適用に成功した。開封後は指による圧着で5回程度繰り返し再封できる。乾燥を防いで品質を保持するだけでなく、ラップなどが不要となり廃棄物の削減に貢献する。
 審査委員長の小野拡邦東京大学名誉教授は審査を振り返って「今回は日用品・雑貨包装、輸送包装の部門で出品数が増加した。日用品・雑貨では環境に配慮した素材への転換が目立ち、輸送では食品保護の包装が多かった。特に農産品の包装では従来のイチゴからトマトにまで対象が広がったことは特筆すべき」と語った。
 技術開発の傾向については「アクセシブルデザインや易開封性を高める開発が進んでいる。消費志向を背景に長期保存や簡単調理を可能にした商品包装も目立った」と評価した。
 今回の入賞作品は東京ビッグサイトで10月2〜5日開催する「TOKYO PACK2018」で一般公開する。