都卸売協・浦和リーダー、新市場を語る
生鮮ベンダー協会は会員情報交換会を都内で28日開催した。東京都水産卸売業者協会・豊洲新市場検討委員会の浦和栄助プロジェクトリーダーが「これからの新市場について」講演し「豊洲新市場は昨年10月の石原都知事の決意表明で建設の方向が決定し、2014年度内の開場をめざすことになった。40ヘクタールの用地に4316億円を投じる計画となっているが、しかし市場流通の見通しや展望、使用料の支払い、市場関係者の権利と義務などが明確にされておらず、建設開始までに検討すべき課題が山積している。時間が限られた中で、これらの検討作業をしなければならない」とした。
2014年度の開場に向け、課題山積
浦和リーダー
情報交換会では、講演として�’牲亟覯莨霾鵐札鵐拭室卍垢両�林彰一氏による「全農青果センターの現状と今後の戦略」、��浦和栄助氏による「これからの新市場について」の講演が行われた。浦和氏は、11月まで中央魚類新市場準備室長にあったが、10月の都知事の決意表明を受けて、中央魚類を退社し、東京都水産卸売業者協会のプロパーとして新市場建設に取り組むことになった。
浦和氏はまず、これまでの経緯として「1999年の整備計画での検討で築地での再整備を断念、2001年の第７次整備計画で2012年度開場をめざす新市場建設を答申、06年５月に日経新聞でのベンゼン汚染報道がなされる。07年４月に専門家会議を開催、08年に専門家会議で改善出来ると報告、09年に技術者会議が報告、10年３月都議会は付帯決議付きで予算を承認、同年10月石原都知事が権利行使を行なう。このうち、付帯決議とは�〆導�発派の意見も尊重する、��土地を無毒化する、�４愀玄圓旅膂娵狙�を促進する――の３点」とした。
今後のスケジュールについて「2014年度内の開場をめざす。新市場は豊洲地区の40万ヘクタール、完全閉鎖型、高床式、バース式となっている」とした。
市場流通の減少に危機感も
浦和氏は「しかし、卸売市場流通の状況をみると、1989年は75％あったものが2005年には60％となり、徐々に減少している状況となっている。築地市場の扱いは、周辺の市場の扱いを取り込む形で維持されているが、今後の見通しをつける必要がある。また、市場関係者は権利を主張するが、義務についても考えるべきだ。時間が限られた中で、卸としての営業や物流での効率的な運用など、多くの課題を解決していかなければならない」とした。