多機能調理機の新コンセプトは「厨房をゲームチェンジ」
スチームコンベクションオーブンで世界シェアトップのRATIONAL AG（本社ドイツ）の日本法人、ラショナル・ジャパン（東京都千代田区、赤井洋社長）は多機能調理機「ｉＶａｒｉｏ（アイバリオ）」の新コンセプトに「The Game Changer.」を掲げ、給食・ケータリング業界を中心に提案を強化している。多彩なインテリジェント機能で人手不足や長時間労働、エネルギー価格の上昇などの課題解決につなげる。同社は厨房に変革をもたらす「ゲームチェンジャー」としての役割を強調する。
煮る、焼く、炒めるなどの調理はふつう多くの器具とエネルギーを必要とし、調理時間が長く、作業負担も大きい。特にエネルギー消費量については電力価格の高騰でいかに減らすかが喫緊の課題となる中、従来のティルティングパンや深鍋、フライヤーではエネルギー効率が悪く、加熱時間の長さや温度管理の不正確さを招いていた。
「ｉＶａｒｉｏ」は煮る、焼く、炒める、揚げる、茹でる、圧力調理を１台でこなす。これまでの調理技術と比較して最大４倍の速さで調理できる。エネルギー消費量は最大40％減らせる。品質を落とすことなく、より少ないエネルギー消費量、短時間で料理を完成させ、作業効率の改善を実現する。
多機能加熱調理機器「iVario Pro」
最適な温度管理、エネルギー管理を実現
エネルギー消費量の削減を可能にするのが最新機能の１つ「iVarioBoost（アイバリオブースト）」。耐久性があって傷に強い高性能スチール製のパン底と、独自のセラミックヒーター（特許技術）を組み合わせて素早い昇温と均一の熱伝導を実現した。２分半以内に200℃まで加熱し、パスタ15�圓覆虧�20分でゆで上げる。
パン底には多数の高感度センサーを搭載し、温度を毎秒測定しながら１℃単位で制御する。センサーが適切な温度に達したことを認識すると、それに応じてエネルギー出力を減らす。エネルギーを節約するだけでなく、噴きこぼれや焦げてこびりつくこともない。エネルギー消費量を抑えながら、高品質に仕上げることができる。
このほかにも「ｉＶａｒｉｏ」には食材の量や状態を検知し、焼き加減などの調理パラメータを調整する「iCookingSuite」、パン底を最大４つの加熱ゾーンに分割して、食材のサイズや位置、形状に応じて加熱温度をゾーン別に設定することができる「iZoneControl」を搭載する。
「ｉＶａｒｉｏ」はコロナ禍で販売数が伸びており、全世界の累計出荷台数は５万台を超えた。ラショナル本社は需要増に対応するため、フランスのヴィッテンハイム（アルザス地方）で新工場の建設を進めている。稼働は2023年春を予定している。
ラショナル・ジャパンは社員食堂などケータリング業界への提案を強化する