2011年度の国内加工食品市場規模は前年度比0.1%減の29兆6900億円の見込み。調査会社の矢野経済研究所の調べで分かった。業務用食品を含む国内の加工食品規模は08年以降、前年度比98〜99%と微減傾向が続いている。
調査した加工食品市場(市販・業務)は(1)酒類(2)飲料(3)乳製品(4)食肉・農産・水産加工品(5)パン・めん類(6)冷凍食品(7)調味料類、砂糖・甘味料類、油脂加工品(8)インスタント・レトルト食品(9)菓子類(10)健康食品――など。メーカー出荷金額で算出した。鮮魚、野菜、精肉などの生鮮食品は含んでいない。
調査によると、中国市場や東南アジア市場へ進出する食品メーカーが増加しているという。原料調達だけでなく、市場としても目を向けているのが特徴。今後は、これら食品メーカーに原材料を供給する企業(サプライヤー)の進出が本格化するとしている。
また、国内市場は高齢者社会の進展や単身者世帯の増加でし好が多様化しており、アクティブシニア向けの健康食品や調理が簡単な惣菜の素など、調理サポート品の開発が期待されている。「し好が多様化する中での商品開発が国内市場のカギになる」と結んでいる。