食品開発の官能分析セミナー��
他商品とのポジショニングを可視化
プライムテックがこのほど開催したセミナー「投資対効果を明確にする官能分析ソリューション」で、協和発酵フーズのマーケティング本部調味料事業部の岩崎弘明マネジャーは、新製品開発サイクルにセンサーを活用する実用について説明し、参加した食品会社の開発部門、技術関係者の関心を集めていた。
岩崎マネジャーは「協和発酵フーズのおいしさマップ分析」と題し、食品開発と販売促進のツールとしてセンサー分析を活用している同社の取り組みを説明した。
食品開発を取り巻く環境に触れ、流通の影響力が強くなり客観的差別化を表現する必要が増加するとともに、有名店の味を再現したいという要望が増加していること、製品自体の発売期間が短くなり、年間に開発する製品の数が増えていることを指摘した。
岩崎マネジャーは「プライベートブランドも多くなり、製品の技術的なデータをいかに一般的に可視化するかが大事。またバイヤーにもわかりやすいデータを提供しなければならない」と説明し、味やにおいを機器を使って客観的、視覚的に表現する必要性を強調した。
実例として同社が取り扱っている調味料「酵母エキスＪＣ−Ｍ」のハンバーグへの添加効果について、センサーを使って測定したものを紹介。ＪＣ−Ｍは肉にジューシー感を与える業務用の調味料。価格の安いハンバーグでは鶏肉が主体でパサパサした食感になっているが、ＪＣ−Ｍを添加することによっていかにジューシー感が加わったか、つまり豚肉との合挽のハンバーグに近づいたかをセンサー機器を使って表現した。
近づけたいものとの位置関係を明確にさせる。官能評価のように主観的な評価に近いものではなく、センサー結果による客観的、視覚的表現がバイヤーにプレゼンする際に効果があるという。
センサー分析による自社の既存品や他社の競合品をポジショニング、マッピングすることで市場解析や新製品の位置づけの確認や、ターゲット商品との比較を可視化できるなど「プレゼンに説得力が増す」と商品開発での活用を訴求していた。
セミナーで説明する協和発酵フーズの岩崎マネジャー