独製バイオガスプラントを販売

 東セラクリエイト(埼玉県久喜市)は省電舎社(東京都港区)と共同で、環境先進国ドイツLIPP社のバイオガスプラント・システムを日本で販売(総代理店は日本ユニデック)。原発事故を契機に注目される再生可能エネルギーであるバイオガス発生プラントを水産業界で積極的に普及させたいとしている。

先進の特殊工法、低価格で施工

 両社が日本で販売しているドイツLIPP社(リップ社)のバイオガスプラント・システムは、家畜の糞尿や食品廃棄物、汚泥などを原料にメタン菌を発酵してバイオガスを発生させ、発電機による電力やガス燃料による熱源、ガスそのものをエンジンの燃料に利用するもの。
 先進のドイツでは、バイオガスの純度を高め圧縮タンクを付帯したガス機関車が登場するなど、自然エネルギーの利用促進が進んでいる。
 プラントの特徴は、ガスを発生させるタンクや貯蔵タンクを現地で組み立てるシステムを採用していること。ロール状のスティールを螺旋状に円を描きながら大きなタンクの形状とする工法。例えばコンビーフの缶詰を開けるのとは逆の方向でタンクする。
 また、バイオガスが発生すると、硫酸など硫黄酸化物が発生し、内部が腐蝕することから、内側にはステンレスの板で覆うような特殊な工作としているのも特徴となっている。ガス発生タンクや貯蔵タンクを外部で組み立てて輸送すると物流コストが高くなる。こうした工夫により、プラントのコストは、通常のタンクに比べて大幅に安く施工できる。

LIPP社のタンク特殊技術、内側にはステンレスをダブル施工

大型プラント含め4基を納入

 すでに日本では4基のプラントを納入しており、このうち2基は1日あたり160tの原料を処理する大型のプラントで、熊本と仙台に設置されている。仙台のプラントは廃棄物処理業者が生ゴミや食品残さなどを処理し、バイオガスを得る目的で導入している。
 東セラクリエイトの櫻本康晴社長は「再生可能エネルギー法の施行など日本でもバイオガスの利用に関心が高まっている。魚の残さを原料とすれば多量のバイオガスが得られる。この分野で先進のドイツの技術を導入し、活用してほしい」としている。
 問い合わせは東セラクリエイト(TEL0480−24−2691)まで。