氷冠製法で冷凍麺をムラなく蒸し上げる

 日清食品冷凍は春夏向けの市販用新製品と既存品の麺製品に「氷冠製法」(特許出願中)を導入し、これまで冷凍麺の調理の主流だった鍋調理に代わり、レンジ調理によるおいしさを訴求する。
 同製法は、冷凍麺の上部の外縁に沿って氷の輪を乗せ、中央にくぼみをつけ、冠のような形状にして凍結する。レンジ調理によって内袋の中で溶けた氷の水分が全体に行き渡り、ムラなく蒸し上げ、麺のコシや風味を引き立て、表面につるみを出すのが特徴。
 昨年秋、具付き麺に採用した「HRB(ハイブリッド・レンジ&ボイル)製法」と同様の仕組みだが、消費者により伝わりやすい呼称に変更し、店頭実勢売価148〜168円の中価格帯の具付き麺だけでなく、「日清のラーメン屋さん」など、麺とスープのみの低価格帯商品にも同じ製法を採用した。
 同社によると、電子レンジのマイクロウェーブ波は、対象物の上部に当たりやすい傾向にあるため、麺の上部に氷を付けたという。中央にくぼみをつけることでムラなく蒸し上がる。「鍋で調理すると、工場と家庭で2回ゆでることになるが、レンジ調理なら工場で1回ゆでるだけで済む。その分、麺の風味やコシが鍋調理より優れている」(同社)という。

   左が氷冠製法を採用した冷凍麺。くぼみの外側に氷が乗っている。