初のブースセミナー「検査機から考える“食品防御”」
アンリツ産機システムは“補正回数”に着目して生産性を向上させた計量システム用の新型はかりや、Ｘ線異物検出機と金属検出機のラインナップ展示を行う。また、同社では初となるブース内ミニセミナーを開催。検査システムに特化した同社が考える“実用的”なフードディフェンスを紹介する。
「ＱＵＩＣＣＡ」のシステム構成例
セミナーのテーマは“検査システムが変えるフードディフェンス”と“はじめて学ぶ食品用検査機”。特にフードディフェンスに関しては、同社がすでに展開している総合品質管理・制御システム「ＱＵＩＣＣＡ（クイッカ）」を使って、検査システムに強い同社だからこそできる、「監査システムから考えるフードディフェンス」について説明する。
ＱＵＩＣＣＡをパソコンにインストールし、検査機など各機器と接続すれば、生産データの自動記録や生産状況のモニタリング、カメラ映像から生産に関する問題点の解析など、品質を管理するための具体的な手段を割り出せる。そればかりでなく“日常の動作確認記録を確実なものにする”ことがＱＵＩＣＣＡのＣＣＰ管理機能の特徴であり、フードディフェンスに活かせると考えている。
ＣＣＰ管理は金属検出機の動作確認作業を必要とする。ＱＵＩＣＣＡを活用すれば、動作確認を行った時刻や品名、作業者の情報を自動的に記録し日報出力できる。記録の記入漏れ、改ざん、正規の作業者以外の操作などを防ぐことにより、日報の信憑性が向上する。もし動作確認作業に逸脱行為があった場合は、機械を停止させ、正しい確認作業が終了しないと運転できないように監視制御する。
食品工場では様々な立場の人が働いている。「動作確認が面倒」とし、それを怠る人がいないわけではない。バーコードリーダーを活用することで、作業担当者の認識や、便ごとの管理が可能となり、検索も簡単になる。
取引先に提出できるように、検査証明書を発行できる。これはＣＣＰ管理手法によって正しく運用された検査機器で検査された生産品であることを示す。
自社の品質管理体制のＰＲにも役立ち、取引先からの信頼度向上にもつながる。書式はカスタマイズできるが、検査機器の記録は変更できない。
「検査機のデータは大量に残せてトレサビに対応できる。その記録はいつでも呼び出せる。正規の作業者でない人は触れられない。不正規な操作もできない。手順を守らせる――など作業者の行動を監視できる。検査室でのフードディフェンスを精神論ではなくて、製品として実現し、提案することができる」（同社）としている。
「補正回数に着目」生産能力さらに高く
組込み式 多連計量システム
設備面では、生産能力を高めるため２月に発売した新製品「組込み式 多連計量システム」を紹介する。
食品などの重量を計量する秤は、一定時間ごとに補正する必要があり、従来機は稼働中に15分ごとの補正が必要だった。この補正をするには対象品を排除しなければならず、この分だけ生産能力が落ちていた。
同社は秤の耐環境性を強化し、従来機よりも振動・温度影響を10分の１まで抑制することで、補正回数を減少させることに成功。新型秤は補正の間隔が２〜３時間まで延びた。要求精度にもよるが、２〜３時間に１回の包装フィルム交換の停止時に補正が働くので、その分排除の個数を減らすことができる。コンベア搬送やロボットアーム搬送など多連で処理することの多い計量システムに組み込んで使う。
15分ごとに対象品を排除することは無駄と考えるユーザーは多く、その改善が求められていた。同システムは生産能力向上に貢献するだけでなく、充填・包装機に組み込みやすいコンパクトサイズのため、省スペースなライン設計を構築することができる。
離れた場所でも質量値を確認
「モバイルモニター」
中小規模の工場で活躍が期待できる
オートチェッカ（重量選別機）の情報を最大限に活用できるように「モバイルモニター」は、オートチェッカから無線ＬＡＮでデータを飛ばし、離れた場所で製品の重量値の傾向をタブレット端末で閲覧できる。
無線ＬＡＮ接続のため、大がかりな工事が不要。充填機の調整に工場内を走ったり、大音量でアラートを鳴らす必要がなくなる。
大手はオートチェッカからの重量傾向制御信号で、原材料の充填量を自動調整しているが、中小ではマニュアル制御が多く、充填機のそばで製品重量の推移をチェックできれば、現場担当者の負荷が大きく減る。例えば、川下の検査工程の異常を、離れた場所にある川上の製造工程担当者に即座に通知できるようになる。異常を早期に川上に伝達し、滞留品が規定量を超えないようにライン調整が可能となる。
このほか、形状を一新した金属検出機「スーパーメポリ�検廖◆硲恩直茲蝓疋┘蕁射泙┐觸杜盟�別機「ＳＳＶシリーズ オートチェッカ」、デュアルエナジーセンサを搭載して食肉中の骨の検出感度が大幅に向上したＸ線異物検出機などを出品する。