「Sigfox」を活用した物流IoTサービスに参入

 双日アイ・サイナップ京セラコミュニケーションシステム(=KCCS)は、新無線通信技術「LPWA」の1つであるIoTネットワーク「Sigfox」を活用した物流IoTサービスの提供で協業を開始した。
 双日はSigfoxを活用した物流IoTサービスの提供、アイ・サイナップはSigfoxに対応したセンサ・デバイスの開発、KCCSはSigfox無線基地局の設置とネットワークサービスの提供を担当する。
 Sigfoxはフランスの Sigfox 社が提供している低コスト、低消費電力、長距離伝送を特長とした、グローバルなIoT用のネットワーク規格。2009年からフランスで導入が始まり現在32カ国に展開しており、2018年までに60カ国に拡大する計画。Sigfoxを活用したIoTソリューションは欧州の物流、社会インフラ、ヘルスケア・見守り、防犯・防災、農業などの分野で普及している。日本でも普及しつつあり、今後、様々な分野での活用が進むとみられる。

 物流業界では「安全性と効率性の両立」と「環境にやさしい」物流サービスの構築・運用に加え、「グローバルサプライチェーンマネジメントの高度化」と「リアルタイムでシームレスな情報連携」への対応が求められている。
 提供するサービスは、これまで「通信料」、「電源」、「通信基盤(エリア)」の制約により、データ収集・分析ができなかった物流アセットの位置・稼働状況の事業者間での連携、貨物の発送情報・積載情報などを荷主とドライバーの間でシェアするサービスに焦点を当て開発・提供する。このサービスでは、電池交換が複数年不要なセンサ・デバイスの費用に加え、Sigfox通信費、クラウド利用料の全てを含んだサービスを低価格で利用できる。これによりサプライチェーン全体の効率化、集配効率の向上、積載量の変動の緩和を図り、物流の生産性を向上する。
 双日、アイ・サイナップ、KCCSの3社は、サービスに興味がある物流事業者と実証運用を推進し、さらに改良、検証して仕様を確定し、2018年度内の実用化をめざす。