プロトン凍結技術を応用、細胞凍結保存の共同研究開始

菱豊フリーズシステムズと中部電力が
共同開発したプロトン凍結機の新型
「Proton Neo」

 プロトン凍結機で知られる菱豊フリーズシステムズ(奈良市、二宮一就社長)と国立研究開発法人の医薬基盤・健康・栄養研究所中部電力は再生医療・創薬分野における細胞凍結保存の共同研究契約をこのほど締結した。バイオ分野での凍結技術開発を含む共同研究を開始する。

 再生医療は細胞や組織などを使うことで、これまで治療困難だった病気を治す可能性があり、未来の医療として期待されている。しかし、病気の種類によって治療に使う細胞製品は異なり、解凍後も生きた状態を維持する最適な凍結条件を見つけることが課題となっている。

 そこで、3者がこれまで培ってきた知見を組み合わせて、細胞製品の凍結条件の最適化や、より利用しやすい凍結機の開発に取り組む。プロトン凍結機に超電導などの高度技術を採用することも想定している。基礎研究と実証試験を経て4年後の社会実装をめざす。

 菱豊フリーズと中部電力はこれまでに食材のおいしさを保ちながら冷凍する技術の研究開発を進めてきた。医薬基盤・健康・栄養研究所もプロトン凍結機を使用することで、従来困難だった、神経機能を持った細胞製品をその機能を損なうことなく凍結保存することを可能にした。