新たな原料原産地表示制度が施行

 新たな加工食品の原料原産地表示制度を定めた食品表示基準の一部を改正する内閣府令が1日公布・施行された。約5年の移行期間を経て2022年4月に完全施行になる。
 原産地の表示対象はこれまで、干物など加工度の低い食品のみだった。改正後は国内で製造される全加工食品について、重量割合1位の原材料の原産地表示が義務化される。
 複数国にまたがる場合は重量順に国名を記すが、実際の製造現場では原材料の仕入先や重量割合が頻繁に変わる。その度にラベルを変更するのは難しいため、過去の使用実績などの根拠があれば、「A国またはB国」と併記したり、3カ国以上を「輸入」とする例外が認められている。条件によっては「輸入または国産」などの表示もできる。

 この改正に伴い消費者庁では、食品表示基準の一部を改正する内閣府令(案) に対する意見募集の結果を公示し、関係通知などを改正するとともに、新たな加工食品の原料原産地表示制度に関するパンフレットやリーフレットを作成した。(http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/quality/
country_of_origin/index.html)
 原料原産地表示制度に係る相談は、引き続き消費者庁の相談窓口(03−3507−8800)で対応する。また農林水産省でも原料原産地表示制度専用の相談窓口を設置する。農林水産省消費・安全局消費者行政・食育課 03-3502-7804。

 消費者庁では「あらゆる機会を通じて、表示義務者となる事業者などに説明するとともに、表示により情報を受け取る消費者に対して制度の普及啓発活動を行う。引き続き、新たな加工食品の原料原産地表示制度を含めた食品表示制度が、 消費者の自主的で合理的な食品選択に役立つよう、制度の円滑な運営を図っていきたい」としている。