中札内村農業協同組合、猛暑で枝豆は豊作
記録的な猛暑で米をはじめ玉ねぎやスイートコーンが不作となり、さらにジャガイモやかぼちゃまでもが例年を下回るといわれているが、北海道の枝豆はむしろ暑さが豊作につながった。
通称「枝豆工場」と呼ばれる、中札内農協の
農産物処理施設
中札内村農業協同組合（河西郡中札内村、山本勝博代表理事組合長）は冷凍工場を持っており、枝豆といんげんが冷凍野菜の主力商品。販売ルートは日本生協連とホクレンがメイン。販売は好調が続いており、解凍するだけで食べられる「そのままえだ豆」をはじめとする冷凍枝豆は近年生産量を大きく伸ばしている。しかも、猛暑が枝豆の生育にとってはプラスとなり、今年の原料枝豆の収穫は前期を二割以上上回った。
９月２８日で終了した枝豆の今期の収穫は、原料ベースで4600tと、前年を1000t上回った。増えたのは圃場を広げたこともあるが、大半は天候の影響によるもの。
いんげんも昨年を200t上回る1400t（原料ベース）を収穫した。
枝豆は中札内の104軒（今年）の契約農家が栽培したもので、それを農協が製品化まで手がけるので輸入凍菜にはない安心感がある。
野菜の前処理装置はほとんど外国製
さらに、新鮮さも大きなアドバンテージといえるだろう。加工は非常にスピーディーで、枝豆は収穫してからブランチングや塩水漬、凍結まで３時間以内に行なっている。しかも窒素凍結で急速に処理している。選別は冷凍してから行なっている。凍結以前の工程はほとんどが輸入機器を導入している。
昨年は工場を増設して凍結能力を増強した。同組合が冷凍枝豆を生産するようになって12年目だが、５年前にも工場を増築している。近年になって大きく伸びているには「山本組合長が就任してからトップセールスをするようになり、その努力が大きい」（販売促進部野嶽育美課長補佐）という。
むき枝豆も販売が好調で、最近はフランス製の新型ハーベスタ（収穫機）の導入も検討している。畑で収穫しながら殻をむくことができるハーベスタで、９月末にデモ機をテストした。
包装時にも念入りに品質確認している
むき枝豆は学校給食で「豆ごはん」等の材料として人気の商品だが、現状では工場の機械でむいている。基本的に規格外の枝豆を使うため選別によって量が左右されることもあり、なかなか生産が追いつかない。導入すればかなりの効率アップになる。
農産加工品の売れ筋ベスト３は�，修里泙泙┐斉Ν△修里泙濤�えだ豆��すじなしいんげん。原料枝豆の消費量の九割が冷凍素材系に使われているが、このほか枝豆を使った加工品も手がけている。
冷凍食品では委託生産の「黒えだ豆コロッケ」、「えだ豆餃子」など。アイスクリームやソフトクリーム、乾麺の「えだ豆そうめん」、「えだ豆そば」、レトルトの「えだ豆カレー」、枝豆といんげんを使った「ミネストローネスープ」もある。変わったところでは「えだ豆焼酎」などもある。
「山本組合長はアイデアマンなので、今後も色々なバリエーションを広げるでしょう」（同）という。