環境配慮型米飯工場を福岡に、投資額115億円

 ニチレイフーズは115億円を投資し冷凍米飯工場を福岡県宗像市に新設する。来年4月稼働予定。生産能力約70t/日。船橋工場(千葉県船橋市)と合わせ、最新の炒め工程を伴う米飯の生産能力は約50%増となる。東西2拠点の冷凍米飯生産体制により、伸長する冷凍米飯の需要に応える。さらにBCP(事業継続計画)対応につなげる。新工場の所在地は福岡県宗像市王丸415-1。従業員約90名。

 新工場では、キューレイで生産している業務用米飯に加え、「本格炒め炒飯」をはじめとした家庭用米飯を生産することが可能となる。炒め工程を活かした多種多様な米飯商品を生産することができる。またライン上の工夫により、従来以上に具材を大きくした高付加価値商品等も提供できるようにする。

           福岡県宗像市に新設する新工場の完成予想図

 省人化にも積極的に取り組む方針。従来の人手作業をロボット化、連続工程や無人搬送に代替することなどを通じ生産性の向上を図り、持続可能なサプライチェーンを構築する。

 新ラインでは直火加熱とIH加熱を組み合わせた独自製法で、炒め工程にかかるCO2を削減する。また排熱の有効活用や太陽光パネルの設置、再生可能エネルギーの活用等を推進し、将来的には電気由来のCO2排出量をゼロにすることをめざす。

 家庭用冷凍炒飯の食卓出現率は25%程度にとどまるため、同社は「手づくりからの代替需要がさらに見込まれる」と分析している。

 旺盛な冷凍米飯の需要に応えることにより同社は経済的価値の獲得をめざすと同時に、CO2削減等を通じて環境に配慮し社会的価値の向上に努める考え。