魚肉ソーセージや焼きおにぎりなど年４万ｔ
日本水産 八王子総合工場
日本水産の八王子総合工場（東京都八王子市、吉岡正弘総合工場長）は、日水グループの中核工場として魚肉ソーセージやちくわ、カニフレーク、冷凍焼きおにぎりなどを年間４万ｔ生産している。約７万�屬良瀉脇發貌閏劼旅�場のほか、日水物流、キャリーネットなどの関連会社があり、研究開発機能・物流機能を併せ持つ。
1962年設立。建屋は半世紀を超えるものの、工場内の設備は常に最新鋭を導入。品質管理システムの国際標準規格ＩＳＯ9001認証を工場全体で取得しており、最高水準の品質管理を誇っている。
品質管理・環境対策を徹底
ソーセージ工場内部
ソーセージや水産加工品は国際的な衛生管理システムのＨＡＣＣＰを取得しているが、ＩＳＯやＨＡＣＣＰより厳しい自社基準を設定している。
生産品目はソーセージ（束物・袋物・キャラクターソーセージ）、水産加工品（ちくわ、カニフレーク、カニ棒）、冷凍食品（焼きおにぎり、ピラフ）、調味料（スケコ、ソース、各種エキス）。
年間生産量は2002年に２万7000ｔだったが、2012年は４万ｔと1.5倍に増加した。１日に魚肉ソーセージ80万本、活ちくわ90万本、焼きおにぎり50万個を生産する。このうち魚肉ソーセージ、キャラクターソーセージ、カニフレーク、活ちくわ、焼きおにぎりは業界でトップシェア。
ちくわは芯まで火が通るように、徐々に火加減を強めながらじっくりと焼き上げている。新鮮で良質な素材の旨みを生かした。
焼きおにぎりのおにぎりロボットは１分間に40個を成型。オーブンで約５分焼き上げ、カリっとした香ばしさが特徴。コメの品質、炊飯に気を配り、独自の風味を出すための工夫をしている。重量管理も重要なポイント。
魚肉ソーセージは１分間に200本のペースでケーシング。気密性、耐熱性に優れたケーシング材を使用している。レトルト殺菌は芯温が120度で４分以上保たれるよう、ソーセージのサイズに合わせて加熱時間を設定している。
アレルギーの子供も安心して食べられるよう、ねり製品、魚肉ソーセージは10年前から卵をカットした。
原材料が高騰、コスト削減努力続く
カニカマのトレーパック
同工場は京王線・北野駅から徒歩５分の閑静な住宅地に立つ。50年前は一面、桑畑だったが、その後、宅地化が進み、現在の状態になった。豊富で良質な地下水を利用している。
それだけに地域との共存も重視しており、地球環境にやさしい工場として、環境システム国際標準規格のＩＳＯ14001認証も取得。ＣＯ２や廃棄物、水使用量の削減などについて毎年、具体的な数値目標を掲げ、信頼と共感を得られる工場を目指している。
吉岡総合工場長は直面する課題として「さらなる合理化」を挙げる。合理的な生産工程によりコスト削減はギリギリまで挑戦しているが、「円安などに伴う輸入原料や資材の高騰が今後も続くことが予想され、一層のコストダウンが必要になる」としている。