小樽に新工場、生産能力増強、動線確保

 一正蒲鉾は北海道小樽市銭函に約20億円を投じて新工場を建設し、7日から本格稼働した。竹輪ラインと揚物ラインは新たに設備を導入。その他のラインは近隣地にある旧工場や新潟工場から移設した。

 旧工場は1982年操業開始で設備も老朽化していたため、生産高の増強と業務の効率化、省力化を図るため新工場の建設を進めていた。入荷から出荷までをワンウェイ動線とし、清浄度区分管理や多重防虫区画を設けるなど、製品の安全性を向上させている。
 竹輪や揚物、カニ風味蒲鉾など年間約7000tの生産を見込む。旧工場では狭く、揚物ラインなどは十分な距離がとれないため、能力を抑えた生産設備を導入せざるを得なかったが、新たに能力の高い設備を導入でき、生産量を増強している。
 「旧工場は1階が加工、2階が包装ラインというように効率が悪く、管理しづらかった。スペースも狭かったため、人や物の動きも十分に配慮しなければ、交差汚染のリスクと常に隣りあわせだった。新工場ではそれらを解消できる」(三国屋輝彦工場長)と手ごたえを感じている。
 環境面では、環境性能評価CASBEEのAランク工場(施工した大成建設が評価)として、省エネルギーで環境に配慮した先進的な取り組みを行なっている。
 当面は90名ほどのスタッフで対応するが、年末の繁忙期にかけて5〜10名ほどの増員を図る。今後の増産に応じて、ラインを増設できる余力を残している。