機能性樹脂の用途開発を加速、キユーピーが採用

 クラレは酸素を吸収することでガスバリア性能を向上させた機能性樹脂「エバール」APシリーズを開発しているが、これがキユーピーの新商品に採用されたのを機に、用途開発、マーケット開拓を加速させると発表した。

「エバール」APシリーズを採用した
「キユーピーハーフ」

 プラスチック製包装材の特長である透明性・柔軟性を保持しつつ、金属缶に匹敵する酸素遮断性能を発現することを目的に開発。ガスバリア性に優れたEVOH樹脂(エチレン・ビニルアルコール共重合体、同社商標「エバール」)に、独自の酸素吸収剤を配合した機能性樹脂で、長期間にわたり外部からの酸素の侵入を遮断。 従来の「エバール」と同等の熱成形性、透明性を持つ。
 酸素透過量は一般的なポリエチレンが1日あたり900.00cc、従来品のアバールが0.09ccに対して、APシリーズは0.00ccと完全に酸素を遮断する。

 「エバール」APシリーズは、キユーピーが新商品「キユーピーハーフ」(ディスペンパック)に採用して8月20日から全国に出荷した。
 同商品は通常容量の樹脂製ボトルに比べ容器の厚さが薄く、従来のエバールよりもさらに優れた酸素遮断性能を必要としていた。従来のEVOH樹脂を使用した場合、賞味期間は約4カ月のため商品化できなかったという。APシリーズの採用により賞味期間7カ月を実現し、商品化につなげた。