水素燃料の貫流蒸気ボイラをラインナップ

 小型貫流ボイラのトップメーカー、三浦工業は、運転時の二酸化炭素排出がゼロとなる水素燃料の貫流蒸気ボイラシリーズを開発した。

       水素燃料の貫流蒸気ボイラ

 水素100%で燃焼する。水素使用量:400N㎥/h 、稼動時間:6000 hr/年、水素発熱量:10.77 MJ/Nm3 、13A発熱量:40.60 MJ/N㎥の条件では二酸化炭素排出量を年間約1400t、ボイラ燃料費を年間数千万円規模で低減できる。貫流ボイラなので取扱資格がいらない。
 水素は燃焼時の生成物が水だけなので、一般的な燃料に比べ、排気ガス中の水蒸気量が多くなる。この水蒸気の熱量を回収することでボイラの熱利用効率をさらに高めることができる。特注対応の水蒸気の熱量を回収する潜熱回収仕様では、低位発熱量ベースでのボイラ効率を100%以上に高める。

運転時の二酸化炭素排出量ゼロ

 水素は燃焼時の生成物が水のみであることから、二酸化炭素排出ゼロのクリーンエネルギーとして注目されている。経済産業省は2014年に定めたエネルギー基本計画の中で、水素を新たなエネルギー源として活用する方針を掲げており、水素社会への取り組みを推進している。水素は様々な1次エネルギーから製造でき、ソーダ工場などでは製品製造の副生ガスとして水素が発生するため、この水素をボイラの燃料として使用すれば、大幅な二酸化炭素削減とボイラ燃料費の低減ができる。
 同社では水素燃料の貫流蒸気ボイラによるMIシステム(多缶設置システム)を「大阪ソーダグループ 岡山化成株式会社」から受注している。