中国の冷食工場に液体塩こうじ納品
タイの自社工場から中国に初出荷

 ハナマルキ(花岡俊夫社長)はタイの自社拠点「サイアムハナマルキ」(業務用液体塩こうじ専用工場)から6月初旬、中国に液体塩こうじを初出荷した。日系冷凍食品工場などに納品する。

 これに先立ち同社は山東省青島に販社・駐在員事務所の「日本华万喜食品株式会社青島代表处」(伊藤裕介首席代表)を同月設立した。同所を起点に中国で液体塩こうじを拡売する。

 ハナマルキは「原料がシンプルな液体塩こうじは、健康志向が高まっている中国で、新しい調味料として提案できる余地が十分にあると捉えている」と説明している。中国での商品名は「味曲汁」(wei qu zhi)で、タイから「味曲汁10L」を出荷した。「味」は調味料、「曲」はこうじ、「汁」は液体を表す。

 同社が2012年発売を開始した液体塩こうじは汎用性の高い発酵調味料。国内外で着実に売上げを伸ばしている。「塩こうじ事業」の売上高は2018年に10億円を達成した。近い将来20億円をめざし国内外で拡販を進める方針。海外販路は大半が業務用となっている。

 製造特許を日本、米国、台湾、インドネシア、中国で取得している。製造拠点はタイ工場と群馬県の大利根工場。しかし大利根工場からは中国に納品できない。

        「サイアムハナマルキ」の外観イメージ

中近東などハラル市場も将来視野に

 海外展開を進めるため2015年、タイに現地法人「ハナマルキタイランド」を設立した。2020年には液体塩こうじ専用工場「サイアムハナマルキ」を竣工し、2月から出荷を開始した。「タイの新工場は海外全体の供給戦略拠点と位置付けている。米国、欧州で採用事例が増えてきた」(ハナマルキ)。 

 タイ工場の建設目的の1つが、中国向けの出荷で、それを具現化した。今後、タイ工場でハラル認証を取得し、中近東などのハラル市場に液体塩こうじを販売する計画もある。

 ベトナムではホーチミン市郊外の物流拠点に在庫を置き営業活動している。中国に事務所を設立し、海外販売に拍車をかける。