ニチレイフーズ船橋工場が操業50周年

 ニチレイフーズは千葉県船橋市の船橋工場が今年操業50周年を迎えたのを機に、報道関係者を対象に施設見学会を11月30日開いた。家庭用「焼おにぎり」の生産ラインや、肥料の原料として再利用するための生ごみ処理機、廃食油ろ過装置など環境負荷低減に向けた取り組みを公開した。

炊きあがったばかりの米にだしを投入する工程

 同工場は1961年、日本冷蔵船橋食品工場として魚肉ハム・ソーセージ、冷凍食品の生産をスタート。72年から本格的な調理冷凍食品を手掛けるようになり、87年から米飯類の生産を開始した。現在も「本格炒め炒飯」、「えびピラフ」、「焼おにぎり」などの米飯類が7割を占め、残りは焼売やフライ品などで、日産約132tの生産規模を誇る。「焼おにぎり」は今年で発売から20周年、「本格炒め炒飯」は10周年を迎えた。

両面を焼き上げたばかりの「焼きおにぎり」

 「焼おにぎり」は炊飯から成型、凍結まで自動化している。原料の北海道産米「きらら397」は、精米した日や出荷した農協名も管理している。商品パッケージには賞味期限のほかに独自の番号を印字し、生産日時がすぐに分かる仕組みになっている。
 今期は米飯商品が好調なため、船橋工場では2万6000tと前期を2000t近く上回る生産量を見込んでいる。主原料の米の価格について不破勝利工場長は「昨年産より上がったとしても、一昨年並になった程度。今の状況では吸収できる範囲」と見ている。

生ごみ処理機があるエコステーション。
建屋の屋上には太陽光パネルを設置している

 環境面では、2004年2月から、原料をカットした際のくずや生ごみを乾燥させて肥料の原料に再生し、近隣の農家に提供している。生ごみ処理機の電力は屋上に設置した太陽光パネルでまかなっている。
 フライラインから出る廃食用油は、ろ過してボイラー燃料の灯油に20%程度混ぜて使っている。廃食用油は他社からも買い入れて使っているが、自社分だけでも年間800万円のコスト削減に繋がり、本来の目的のCO2排出量を年間900t抑えることが可能になるという。
 08年には「エコノマイザー」という装置を導入した。200℃のボイラー排煙の熱を利用し、ボイラーに供給する水の温度を50〜60℃に温め、燃焼効率を上げている。これにより灯油の使用量を抑え、CO2の排出量を年間60t削減している。