大森会長
わが国包装機械産業の生産実績は、継続的な設備投資促進税制の効果や北米、アジアなどの海外市場開拓等の成果もあり、対前年度比3.8%増の4458億円と前年を上回った(2017年度統計)。今後、成長する新興国市場等において、これまで以上に各市場の発展状況に応じた国際化戦略が求められる。会員には積極的に海外情報を収集し、新製品・新技術情報を世界のユーザー企業に向けて発信強化することで海外市場の開拓につながり、経営基盤の安定化をもたらすと確信している。
また、包装機械を含めたものづくり産業を取り巻く経営環境は大きな変革期にあり、さまざまな分野においてIoT、ロボット、ビッグデータ、AIなどの先端技術を活用しながら産業のイノベーションを起こしていくことが、製造業のみならず社会全体への進化につながるものと思う。その実現に向けて、個別の企業・業界の垣根を越えた産官学の連携を強化し、新たな付加価値を高めることが必要不可欠と考える。
わが国の包装機械産業は食品、医薬、日用品・化粧品、流通等の生活産業をはじめとしてすべての需要産業の生産の高度化に寄与することで安心・安全な生活基盤に貢献するとともに、少子高齢化等の社会構造の変化、環境問題、食料問題等の課題解決に向けても積極的な取り組みを強化したいと思う。そのためにも、これまで以上に海外の包装産業の調査研究、技術高度化、人材育成、広報、展示会等の事業を幅広く展開する。これらの事業を通じて会員のベネフィットにつながる事業の具現化にも努める。
今年10月には、当会の最大のイベントである日本包装産業展「JAPAN PACK 2019」を開催する。今回より展示会の日本名を日本包装産業展と新たにし、国内外の最新鋭機器・技術・サービスを展示する。これまで以上に原材料加工、製造加工、計量、充填、包装、印刷、印字、検査、梱包、物流・ロジスティクスなど、製造ライン全体にかかわる最新トレンドを一貫してご覧いただけるように準備している。
開催テーマは「きっとみつかる あなたの包程式」。包装と密接なつながりをもつ製造工程のあらゆる先進機器・技術・サービスが集結してコラボレーションを生み出し、需要業界の課題解決策を〝包程式〟としてトータル提案する展示会を目指す。今回は会場を幕張メッセ(千葉県)に移して開催する。関係各位にはこれまで以上の絶大な支援をいただき需要産業と包装関連産業双方のビジネスの発展に貢献していきたい。