東島総経理
マルハニチロと中国の龍大食品集団の合弁会社、煙台日魯大食品(山東省莱陽市)の東島直貴総経理は「中国のピザ市場は拡大を続けている。これまでピザは富裕層が集まる沿岸部を中心に普及してきたが、近年は内モンゴルやウルムチなど内陸部からの問い合わせが多く、徐々に実績があがっている」と語る。
「(市販用事業については)棚代や販促費などの名目で徴収される商品導入費用が高額だったことから店を絞り込み、あまり力を入れてこなかったが、最近は内販も利益が出るようになってきた。この利益分を有効活用する形で、来年はもう少し内販事業に力を入れたい。
近年、中国はネット企業が元気。2〜3年前まではスーパーがネット販売を始めたり、ネット企業が実店舗を運営したり、新しい可能性を模索して揺らいでいた。ところが、最近はそれぞれのノウハウを最大限に生かすための業務提携、資本提携へと動きが変わり、うまく回り始めている。
新店のほとんどにイートインスペースがあり、店内で購入した食材を調理してくれるサービスが人気だ」
「中国で活躍する大手ピザメーカーは2社に絞り込まれた。中国に生産拠点を置き主要都市で冷凍ピザを販売しているメーカーは中国の『潮香村』ブランドと、『阿克力』ブランドの冷凍ピザを販売する日魯大食品の2社。2012〜18年まではドイツのメーカーも中国に進出して生産・販売していたが、今はドイツからの輸入販売に切り替わっている。
地方にも小さなピザメーカーがあり、新規参入組も少なくない。中には小麦粉製品や冷凍野菜の会社がピザ生産に乗り出している例もある。
生産効率をあげるため、既存設備の更新は順次行っている。今年は輸出する市販用商品の包装機を更新し、生産効率が約20%アップした」