理研ビタミンはメカブのフコイダンがインフルエンザの予防に役立つことを実証したと発表した。これまでにも動物実験でフコイダンが新型を含むインフルエンザや風邪ウイルス(コロナウイルスなど)、ヘルペスウイルスに効果があると実証されていたが、今回、人体で実証されたことは意義深い。
試験(武庫川女子大国際健康開発研究所家森幸男教授らとの共同研究)は高齢者を対象に行なった。一般に高齢者は予防ワクチンの接種をしても免疫力が弱いため抗体の生産が少なく、予防効果が小さいことが知られている。
特別養護老人ホームに入所する67歳から102歳の男女67名を2群にわけ、300mgのメカブフコイダンを昼食時に摂食してもらった。1カ月の摂食後、インフルエンザ3種混合ワクチンを接種し、さらに1カ月後に各種インフルエンザウイルスに対する抗体量を測定した。
その結果、メカブフコイダンを摂食した人々は対象食を摂取した人々と比較し、全てのインフルエンザウイルス株に対して、抗体の産生量が上昇した。特にB/ブリスベン/60/2008株に対する抗体の産生は、対象食を食べていた人々では欧州医薬品庁が定めるインフルエンザワクチンの有効性評価基準を満たす量の抗体が産生されなかったのに対し、メカブフコイダンを摂食した人々では、同基準を満たすウイルスの予防に十分な量の抗体が産生された。
実験で摂取した300mgというのは一般にスーパーで売っている生食メカブ1パック(40g)に含まれる量とほぼ同じ。
この研究内容は今年8月22〜27日に神戸で開いた「第14回国際免疫学会議」で発表している。