高粘度チョコの加熱保存が可能
コンテナのインナーとボード開発

 富士電機リテイルシステムズは自動販売機の加熱省エネ技術を活用して、1tコンテナ用の加熱保存システム「Hot Combo」シリーズを発売した。コンテナ内部に装着させる専用のインナーと電熱ボードを開発。業界初となる高粘度チョコレートの加熱保存を可能にした。

「Hot Combo」シリーズ
インナーと電熱ボードで構成している

 専用開発したインナー(ヒータジャケット)と電熱ボードを1tコンテナに装着することで、チョコレートを溶けた状態のまま保存や輸送、排出できる。これにより、段ボールや1斗缶などの包材費用を削減、また、チョコを一旦固めてから再度溶かすという電気料金の削減にもつなげる。懸念となっていた段ボールの紙片や1斗缶のサビなど異物混入の不安も解消した。輸送時の冷蔵トラックも不要となる。
 製菓用チョコなどの粘度の高いものから、アイスクリームに使うコーティングチョコなどの油脂分が多く粘度が低いものまで、電熱ボードの設定温度を変更させて幅広く対応できる。
 粘度が低いアイス用のチョコレートと違い、チョコレート粘度の高いものは加熱時にボード表面温度が高くなりすぎて、焦げたり、乳成分が固まるため加熱保存が困難だった。また、従来はコンテナの外部からヒータジャケットを覆うタイプはあったが、今回のように内部にレイアウトするタイプはなかったという。
 「粘度の高い製菓用のチョコレートを加熱保温するシステムは業界初の試み。他にもパーム油などの海外からのコンテナ輸送も可能。コンテナ内の原料をムラなく均等に加温・溶解できるので品質を高く維持できる」(同社)という。