コロナ時代の物流をテーマに意見交わす
冷凍冷蔵のマルチテナント型を検討課題に

 大和ハウス工業はグループ子会社で物流の次世代型プラットフォームを提供するダイワロジテック(東京都港区)のグループ企業などによるWEBセミナーをこのほど開催した。ロジスティクスの分野で注目を集める新進気鋭の経営者らが一堂に集まった。

 「withコロナにおける物流サプライチェーンの今後を考える」をテーマに、コロナショックが物流現場に与えている影響や、コロナ時代に求められる変化対応の取り組みなどについて議論した。

冷凍庫仕様AGVの出現に期待

ダイワロジテックが千葉県市川市の「DPL市川」内に
構築したR&Dセンター「Intelligent Logistics
Center PROTO」

 この中でダイワロジテックの社長を務める大和ハウス工業の浦川竜哉取締役常務執行役員建築事業担当はスーパーや生活協同組合などのネット販売が急増し、物流が追いつかない状況が続いているとしたうえで、「冷凍冷蔵の物流センターをBTS(特定企業専用)型ではなく、マルチテナント型で造ってほしいという要望が出始めた。冷凍冷蔵のマルチテナント型は困難を極めるが、今後は前向きに考えていきたい」と語った。

 さらに「冷凍冷蔵倉庫の多くは固定式ラックとフォークリフトが使われ、可変性や機動性のある機械はほとんどない。だが、今後はアイスクリームを保管するような-25℃までなら庫内を自由に動き回るAGVが現れ、活躍の場が増えるのではないか。
 いまは常温帯のマルチテナント型もAGVに適した構造になっていない。ウィズ/アフターコロナを見据え、新しい物流センターをお客様と一緒に開発していきたい」と語るなど、サプライチェーンの強化やデジタル化など市場ニーズの変化に対応する姿勢を示した。

先進物流のパートナーメンバーが結集

 セミナー参加者は浦川取締役に加え、ダイワロジテックグループの中軸企業でWMS(倉庫管理システム)などを提供するフレームワークス(東京都港区)の秋葉淳一社長、同じくグループ企業でNIKE(ナイキ)と業務提携したフルフィルメントサービスのアッカ・インターナショナル(東京都港区)の加藤大和社長、大和ハウス工業の資本業務提携先でバース管理システムのHacobu(東京都港区)の佐々木太郎社長、同じく資本業務提携を結び、ロボットやAIなどの先進技術を提供するGROUND(東京都江東区)の宮田啓友社長の5人。