自然冷媒国際会議、世界の冷媒事情を報告

 自然冷媒国際会議のアトモスフィアAPACサミットが6月27〜28日の2日間開催され、世界の最新冷媒情報を発信した。
 
 初日は東京都港区の東京コンファレンスセンター・品川で対面開催した。自然冷媒を使った冷凍機業界のリーダーとしてパナソニック日本熱源システム前川製作所がそれぞれ自社の機種と取り組み事例を紹介した。

バイデン政権で米国が変化、HFO問題も

 海外のアトモスフィア会議に出席したことがある日本熱源システムの原田克彦社長は米国の冷媒事情について紹介し、「2019年のアトランタ会議では大型のアンモニア冷凍機がいくつか紹介された程度だったが、今年のワシントンDC会議では発表・展示の70%がCO2冷凍機だった。バイデン政権になりガラッと変わった」と報告し、比較的自然冷媒化に消極的だったアメリカも自然冷媒化の流れに完全に傾いていることを紹介した。

  パナソニック、日本熱源システム、前川製作所が自然冷媒導入の動向などを報告した

 さらに、HFCの代替と期待されるHFO(ハイドロフルオロオレフィン)についても、アメリカでは人体や環境への影響が懸念されていることを報告し、次世代冷媒はアンモニアとCO2が有力であると主張した。

 HFOはGWPが4と低く、オゾン層を破壊しないため世界中の政府環境機関の承認を受けているが、大気で分解するとTFA(酢酸)に変化し、酸性雨の原因となり、飲料水に混入すれば人体への影響も考えられるという。日本はHFOへの対応が遅れているという指摘も出た。

 2日目はオンライン開催。主にアジア太平洋諸国の関係者とオンラインでつなぎ、各国の自然冷媒化事例を紹介した。