CO2冷媒の冷凍機ユニットを製造する新工場が完成
日本熱源システム

　　　　原田社長

　日本熱源システム(東京都新宿区、原田克彦社長)は滋賀工場（滋賀県大津市）に、主にCO2冷媒の冷凍機ユニット「スーパーグリーン」を生産する第３棟を新設した。昨年12月1日に竣工式を執り行った。

第３棟の３階で大量生産を開始したスーパー
グリーン

　第３号棟建設には５億円を投資した。１階は新ショールームと、同棟で生産した製品のテストスペースを設置している。中２階は会議室など。３〜４階はスーパーグリーンと地中熱ヒートポンプの製作工場。５階は部品置き場にしている。
　「スーパーグリーン」はCO2単独冷媒の本格的冷却ユニットとして日本初。CO2冷媒のユニットはヨーロッパで急速に広がっており、日本では２〜３年前からスーパーマーケットの低温ショーケースで採用が出ており、一昨年は冷食工場のフリーザーでも採用されている。北海道や青森の冷蔵・冷凍倉庫でも採用が始まっている。
　CO2を冷媒として使う場合、高圧縮が必要になることから、スーパーグリーンの圧縮機には、実績のあるドイツＧＥＡグループ製の圧縮機を採用している。冷凍専用、冷蔵専用のほか、冷蔵と冷凍を一つのシステムでこなす機種もある。
　滋賀工場は2012年１月にオープンし、16年10月には第２号棟が完成している。敷地面積は約１万�屬△蝓�第３号棟は延床5000�屐�
　既存の1号棟は原子力発電所向けの冷凍機なども生産している。
　原田社長は竣工にあたり「６年前に滋賀工場を建てた時は分不相応と考えたこともあったが、ようやく定着した。６年前には独ＧＥＡ社のクラウスＣＥＯに“これからはCO2の時代”と提案され、それをきっかけに社員を派遣し、私も１カ月ほど滞在して理解に努めた。正直言って、当初はCO2冷凍ユニットでどういうビジネス展開をするか、若干もてあましたこともあったが、その後は幸運にも恵まれ、昨年のモントリオール議定書も追い風になり新工場建設に踏み切った。CO2冷凍機にはこれからの常識を覆す力があると信じている」と語っている。

日本熱源システムの滋賀工場、左奥が新設した第３棟