日本の生鮮品を香港ヤマトの一貫保冷で配達

     Oisix香港のサイト画面

 生鮮品やミールキットの宅配事業を全国展開するオイシックス・ラ・大地(東京都品川区、高島宏平社長)は「Oisix香港」の事業拡大のため、ヤマトホールディングス傘下の雅瑪多運輸(香港ヤマト)の保冷倉庫を活用して日本産生鮮品の一貫保冷輸送を5月開始した。Oisix香港はオイシックス・ラ・大地グループの「Oisix Hong Kong Co. Ltd.」が運営する生鮮品配達サービス。
 Oisix香港のサービス開始は2009年。2017年からはヤマトグループ最大の多機能物流施設「羽田クロノゲート」と香港空港間で、専用のパレタイズ梱包による定温空輸サービス「Yamato Natural Aircargo 」を活用してきた。一方で、日本の食品・食材を定温管理できる現地倉庫の収容能力の増強や、香港で事業拡大を進めるうえで高品質な物流ネットワークの構築が喫緊の課題となっていた。
 こうした中、香港ヤマトは香港政府発行の保冷倉庫ライセンスを持つ九龍湾基地の保冷倉庫を約300坪拡張し、一貫保冷輸送の提供を開始した。そこでOisix香港がファーストユーザーとして利用することになった。
 一貫保冷輸送は日本から香港まで保冷輸送する際に、従来はローカル事業者が行っていた香港空港と倉庫間、倉庫と配送センター間の輸送や庫内業務を香港ヤマトが全て担う。ユーザーの事業成長に合わせた柔軟な保冷物流が提供できるのが大きな特長。このほか、庫内の温度管理を集中管理することで温度逸脱リスクの低減や、リアルタイムでの在庫管理、小口保冷配送サービスの提供などのメリットが期待できる。
 香港は日本の農水産品の輸出先1位を占める。近年は保冷輸送による産地直送の生鮮品や生酒などの輸入が増加しており、2018年は前年比12.7%と堅調な伸びを示している。