「いい肉の日」に代替肉体験会を開催

 オイシックス・ラ・大地は11月29日の“いい肉”の日を環境にも健康にもやさしい植物肉の魅力を体感してもらう日として、ネクストミーツモスフードサービスグリーンカルチャーの3社の協力のもと「いい肉の日 by Oisix ra daich プラントベースフード体験会」を開催した。記者向けのセミナーやトークセッションのほか、一般消費者への試食提供を実施した。

 セミナーではオイシックス・ラ・大地の子会社Future Food Fundのキャピタリストであるジェニファー・ペレス氏がアメリカでの代替肉食品の歴史やトレンドを説明した。

 35〜40年前にヴィーガンやベジタリアンなどに向けてミンチタイプの冷凍代替肉商品の流通が開始し、99年には大手企業が大規模なM&Aを通じて代替肉市場に参入。2010年には代替肉ブームが起こり、スーパーや外食店など一般流通が進んだ。現在の代替肉市場は7000億円規模となるが、同氏はまだまだ拡大の余地があると見ている。

 代替肉製品はパティなどの定番以外にも技術革新によりジビエや生で食べられる刺身などの水産物、乳・卵製品までバラエティに富んだ製品が消費者ニーズに合わせて続々と開発されているという。細胞培養肉については2020年にシンガポールで販売が開始された。アメリカのFDAやUSDAの認証が得られるという見通しがあり、近い将来日本での流通も考えられることを示した。

 代替肉の原材料として大豆は最も相性の良い素材の1つだが、シイタケの菌糸体を使った肉らしさが特徴のステーキ代替肉やジャックフルーツなど素材を活かしたベジミートなど消費者の付加価値を訴求する原材料にも可能性が豊富にあることを主張した。

 アメリカの人口の4割を占め、週数回プラントベースフードを消費する「フレキシタリアン」の増加に伴い年齢や性別、ライフスタイルなどのターゲットが広がりつつあることで、製品や原材料の多様化が起きているという。

左2人目からオイシックスのぺレス氏、モスの濱崎氏、グリーンカルチャーの金田氏、ネク
ストミーツの佐々木氏、オイシックスの世永氏

接点づくりや使用方法の提供が課題

 トークセッションではネクストミーツの佐々木英之代表取締役、モスフードサービスの濱崎真一郎マーケティング本部商品開発部長、グリーンカルチャーの金田郷史代表取締役、オイシックス・ラ・大地の世永亜実社長付スペシャルプランナーが登壇し、日本における植物肉の現状と今後について語った。

 オイシックスの独自アンケート調査によると、プラントベースフードの認知度は20%程度であることがわかった。この結果を受け、植物肉の現状の課題としておいしさを伝える接点づくりや、使い方がわからないという人への情報提供、プレイヤーが増えることによる業界の成熟などがあることを議論し、おいしさは最低限の価値であり、付加価値を伝える仕組みづくりや手に取りやすい価格などに取り組む必要があることを確認した。