朝食ロボ、コンビニ調理ロボ開発、実用化へ前進
「たこ焼きロボット」や「ソフトクリームロボット」など調理ロボットの研究開発で知られるコネクテッドロボティクス��（東京都小金井市、沢登哲也社長）は新作の朝食ロボットとコンビニ調理ロボットを、このほど開催された「ＨＣＪ2019」に出展し、来場者の注目を集めた。
朝食ロボの開発を主導する宮武氏は
東京大学工学部に在籍
朝食ロボ「Ｌｏｒａｉｎｅ（ロレイン）」は専用アプリを使って朝６時などにセットすると指定時間に自動で朝食を作り始める。
ロボットが�．魁璽辧璽泪轡鵑離好ぅ奪舛魏，轡魁璽辧爾鰤擦譴襦��⊃�パンを取り出し、トースターに入れてスイッチを押す。��専用カートリッジ（カップ）に入ったベーコンやパプリカ、アスパラをそれぞれ取り出し、ホットプレートに乗せる。�ぜ�動割卵機で割った生卵をホットプレートに乗せる。
一連の作業はあらかじめロボットに画像プログラミングやティーチングで記憶させておくため、キッチンに置いてＷｉ-Ｆｉをつなげるだけで準備完了。メニューをアプリでカスタマイズすることもできる。専用カートリッジは使い捨てのため洗い物の必要がない。
ロボットアームは中国製の「ＤＯＢＯＴ Ｍａｇｉｃｉａｎ」。汎用性が高く、価格はレールスライダーと合わせて約10万円と低コスト。さらに卓上サイズのため、コーヒーマシンなど調理機器を組み合わせても幅1200mm×奥行700mmのスペースで収まる。展示ブースではロボットがホットプレートに具材を乗せるまでを実演した。
今回は参考出品。焼き加減を調整したり、食材を冷蔵庫から取り出したりできるよう改良を続ける。同社はインバウンド需要が期待できる民泊施設への導入を想定している。
開発担当者でロボットエンジニアの宮武茉子氏によれば、早起きが苦手なことが開発を思い立った理由だという。「母親が朝食を作ってくれる朝をイメージした。コーヒーの香ばしい香りや目玉焼きの焼ける音で目覚めたら気分いいでしょう」と語る。
ネーミングは映画「バックトゥザフューチャー」に着想を得た。冒頭に手作りの機械が朝食を自動で作るシーンが出てくる。名前は主人公の母親の名前をそのまま採用した。
コーヒーを淹れている間にパンを取り出し
トースターへ
ベーコンやアスパラ、生卵をホットプレートに
乗せるまでを実演
唐揚げの注文から提供、調理までを自動化
串カツを油槽に投入するホットスナックロボ
コンビニ調理ロボの「ホットスナックロボット」は保温器から唐揚げ棒などを取り出して客に提供するほか、フライヤーで揚げ物、ホットプレートで焼き物を作る。展示ブースではロボット２台を使った共同作業を実演した。
メインで働く協働ロボットはデンマークのユニバーサルロボット社製「ＵＲ５」。客が備え付けのタブレットで注文すると、保温器から唐揚げ棒やフランクフルト、串カツなどを取り出す。トレーは朝食ロボと同じ「ＤＯＢＯＴ Ｍａｇｉｃｉａｎ」がセットする。「ＵＲ５」がトレーに商品を入れると客の目の前に自動で送り出される。
商品の種類はカメラを使った画像認識技術によって判別する。１個あたり20〜40秒で提供できる。
加熱調理は店員が串に刺した冷凍素材をパッドに置いておくだけで「ＵＲ５」がフライヤーかホットプレートかを見極めて使い分ける。実演では油槽のカゴに串カツを入れ、カゴを沈めると、加熱調理の間に注文されたフランクフルトを取り出し客に提供していた。
調理時間は１時間あたり120個。省人化だけでなく、品質の安定化、調理機器の稼働率向上が期待できる。作業スペースは幅1200mm×奥行2200mm。同社はコンビニ大手などに提案したいとしている。
ホットスナックロボは、経済産業省が昨年開催したロボットの国際大会「World Robot Summit2018（ＷＲＳ）」のフューチャーコンビニエンスストアチャレンジで「セブン-イレブン賞」を受賞している。
商品提供は「ＤＯＢＯＴ Ｍａｇｉｃｉａｎ」と
共同作業で行った
展示ブースではたこ焼きロボやソフトクリーム
ロボ（写真）も実演した