電力の見える化をサポート

 ケイズ ベルテックは機械や電気制御、ITを融合させたIOT(Internet of Things=モノのインターネット)を自社で構築し、食品工場向けに提案するため、IT会社を今年1月にグループ化した。制御ITシステム事業部を設置し、電力の見える化をサポートする「ボルトキャッチャ」を開発した。

       ボルトキャッチャの機能

 生産ラインごとに見ていた電力を、設備1台ずつにセンサーを設置し、測定、記録することで、どの機械が無駄な電力を使用しているか、稼働率はどうなっているか、などが確認でき、電力使用量の見直しにデータを活用できる。
 機器に負担がかかっていると普段と違う電力がかかるので、過去のデータと比べることにより、機器の状態を推測でき、故障の予兆を見つけることができる。
 インバーターのトリップで停止した生産ラインは電力量が大幅にダウンする。通常時との電力差から停止しているラインをいち早く検知し、駆けつけることができる。
 今まで装置や制御盤の中でしか見えなかった電力を、パソコンやタブレットなどで見える化するソリューションとなっている。

 同社では次の様にコメントしている。
 「生産ラインは色々なメーカーの機器やコンベアーを繋ぎ合わせて構成する。各作業のオペレーターは担当カ所を管理し、ライントラブルがあった場合、目視確認してラインを停止し、停止時間が少しでも短くなるように対応している。
 それぞれ単独で動いていた製造ラインの各機器にセンサーを設置し、IOTインターネットで結んで電力を監視することにより、ライン上で起こることを把握し、ライン停止に繋がる予兆をいち早くキャッチして、止めずに済む予防保全につなげることが重要であると考える。
 製造現場では労働人口の減少、製造機械の自動化、ロボットの導入などでラインの無人化が進むとみられる。これまではラインに人がいることによって機械の異常を監視していたが、ラインから人が減れば、異常に気が付くのが遅くなることが懸念される。
 『ボルトキャッチャ』は電力をモニタリングすることで、ラインの状況を把握するソリューションだが、センサーの種類を変えればもっと色々な状況を監視できる。異常があるときに機械自身がアラームを発するようになる。
 IT会社の目線で行う製造ラインのIOT化の提案と、これまでオートメーションラインの構築を行ってきたわが社が開発するのとでは目線が違ってくる。今後も現場目線でIOT化の提案を行っていきたい」。