シワや変形を防ぐ真空パッドに蛇腹タイプ登場

 真空機器専門メーカーのシュマルツ(横浜市、ゲッテゲンス・アーネ社長)は、柔らかく変形しやすい食品包装の紙やフィルムなどのワーク(対象物)に最適な真空パッドシリーズに、ベローズ(蛇腹)タイプのパッド「SFB1」を新たにラインアップした。

 紙やフィルムなどの薄いワークは吸着時にシワや変形が発生しやすく、強い力がかかれば破損してしまう。そこで今年春に発売した真空パッド「SFF」は吸着面にハニカム(ハチの巣)デザインを採用し、パッド全面に吸着エアがムラなく行きわたる構造にした。平面に近い状態で吸着するため、ワークの引き込みによる局所的なシワや変形、破損を防ぐ。

 今回の新製品は「SFF」同様にハニカムデザインを採用したうえで、パッドの形状を1.5段の蛇腹にした。ワークの表面の高さが均一でない場合の高低差の補正や、ワークを吸着した際の緩衝に効果を発揮する。間接部品のプランジャーを必要としないため、設置工数やコスト削減にもつながる。

 材質は食品の搬送に対応した、FDA(米国食品医薬品局)準拠のシリコーンなど4種類を揃えている。

   薄いワーク吸着に適したベローズタイプの真空パッド「SFB1」の製品群

      ハニカムデザインでワークへの負荷を抑え、安定した搬送を実現する

吸着後のアルミホイルの比較、従来の吸着パッド(左)に比べてシワや変形が発生していない
ことがわかる