冷凍冷蔵ショーケースが集結、環境・省エネ競う

パナソニック産機システムズは「ナノイーX」を
搭載した冷蔵ショーケースを出品する

 全国スーパーマーケット協会(横山清会長=アークス社長)主催の「第56回スーパーマーケット・トレードショー2022」が千葉の幕張メッセで2月16〜18日開催される。スーパーを中心とした流通業界に最新情報を発信する商談展示会。今年は1711社(3029小間)が出展する。

 スーパー業界は巣ごもり消費の拡大を背景に業績が依然好調で、新店オープンや店舗改装などの需要は旺盛。特に衛生環境や省エネに対応した「冷凍冷蔵ショーケース」に関心が高いこともあり、各メーカーとも提案に力を入れる。

 業務用の冷凍冷蔵ショーケースでシェアトップのパナソニック産機システムズは、菌やウイルスを抑制する独自技術の「ナノイーX」を搭載した冷蔵ショーケースを出品する。

 ショーケースの下部に「ナノイーX」発生器を搭載し、空気中の水分からナノイーを発生させて庫内を循環させる。陳列スペースを除菌するだけでなく、冷気によってダクト内もきれいなエアーが循環する。機種は多段形からセミ多段形、平形、冷凍リーチインまで揃える。庫内照明はLEDを標準搭載し、冷媒はGWP(地球温暖化係数)が低い混合冷媒の448AやCO2冷媒などに対応する。

日本熱源、ダイキンはプラグインに対応

 産業用冷凍機メーカーの日本熱源システムは冷凍機内蔵型ショーケースを出品する。青果・日配用の多段ケースから冷凍リーチインケースまで、全ての機種でプラグイン(内蔵型)に対応する。プラグインは電源につなげば運転可能で、既設店舗の改装や居抜きの新店舗開設などでもピット(床下の冷媒配管)工事を必要としないため、工事期間の短縮や予算の低減につながる。

 ダイキン工業は欧州グループ会社のAHT社が展開している冷凍プラグインショーケースをダイキンブランドの冷凍ショーケースとしてPRする。冷気を逃げにくくするスライドガラス扉を装備し、インバーター圧縮機を採用したことで省エネを実現したほか、自然冷媒R290(炭化水素)を全機種に採用しており、環境にも優しい。

 冷媒配管工事やドレン配管が不要なため、店舗内の設置やレイアウト変更の自由度が増す。無風冷却方式を採用しており、ファンモータの点検・メンテナンスも不要にした。

オカムラ、フクシマはデザイン性も見どころ

オカムラは省エネと鮮度管理にこだわった「フォ
ンターナシリーズ」を展示する

 オフィス家具大手で冷凍冷蔵ショーケースも手がけるオカムラは主力ブランドの「フォンターナシリーズ」を展示する。

 高効率のエアカーテンで消費電力を低減したり、24時間デフロスト(霜取り)による庫内温度を一定にしたりする技術に定評がある。こうした省エネ機能や独自の冷却技術、デザイン力の高さで魅力的な売場づくりに貢献できることをアピールする。

 フクシマガリレイはデザインと機能性にこだわったショーケース「CLAIR Send-you」を出品する。外装色が前面や側面を連続的に覆ったデザインが特長。庫内上下にアルミ素材を配置し、「額縁効果」で陳列商品を見栄え良く演出する。

 機能面では消費電力を従来のまま照度を20%向上させた新型LEDを標準搭載した。冷気の吹出し位置を見直し、エアカーテンを作り出すハニカムの幅を広げたことで約20%の消費電力削減にも成功した。今回はショーケースにAIカメラを取り付けた欠品感知システムを披露する。さらに、CO2冷媒対応のショーケースも展示する。

フクシマガリレイは庫内上下のアルミ素材による「額縁
効果」で陳列商品を見栄え良く演出する