包装資材、うなぎ加工品の食品商社を子会社化

 化学系専門商社の稲畑産業(大阪市)は包装資材・包装機械卸、うなぎ加工品や乾燥野菜の製造販売などを手がける大五通商(静岡市、瓦谷健社長)の株式を特定目的会社を通して追加取得し、子会社化すると発表した。稲畑産業の間接所有割合は67.6%になる。取得価額は非公表。2月28日付け。

 大五通商は1974年設立。2022年3月期の売上高は約85億8000万円、営業利益は約4億1000万円。うなぎ加工品はECサイトでも販売しており、高い評価を得ているという。

 稲畑産業は24年3月期を最終年度とする中期経営計画(3カ年)で成長分野への積極投資を重点施策の1つに掲げている。食品分野では農水産品の栽培・生産から加工・輸送・販売までマネジメントする商社機能を活用した「垂直統合型ビジネス」の構築を進める戦略をとっている。

 今回の子会社化では、大五通商が持つEC販売などのリテール分野の機能とノウハウをグループ内に取り込み、「垂直統合型ビジネス」における川下強化を図る。商社機能を活かして大五通商の商品を拡販するほか、稲畑産業が国内外で調達する農水産加工品をECサイトで販売することを想定している。

 包装資材カテゴリーでは大五通商が扱う複合・単体フィルムやトレー、カップなどの原料となる原反フィルムを販売するほか、仕入取引への商流介入も図り、収益拡大をめざすとしている。