90℃の温水循環加温が可能

 東芝キヤリアは最高出口温度90℃で温水循環加温できるヒートポンプ「CAONS140タイプ」を開発、4月から発売する。

先日開催された「HVAC&R」で参考出品した

 工場の製造工程には様々な加温処理があり、ボイラや電気ヒーターなど加熱機器が数多く用いられている。蒸気ボイラは一般に集中設置されており、加温場所まで長い配管を使って蒸気を搬送するため、配管からの放熱ロスが課題となっている。電気ヒーターはエネルギー消費量の低減が課題となっている。
 また、産業用途では、洗浄工程など機械設備ごとの温水利用が中心だが、分散設置の場合、設置スペースの確保も課題となっている。
 そのため、製造工程近傍に分散設置が可能な高効率加温機器として水熱源高温ヒートポンプが開発されているが、熱源水が必要であり、冷水利用も熱負荷バランスが難しく、ユーザーサイドから循環加温水の高温化、ヒートポンプの高効率化、製造工程近傍の狭小スペースにも設置できるコンパクト化、機器コストの削減といった要望が寄せられていた。
 「CAONS140タイプ」は従来の空気熱源式循環加温ヒートポンプが70℃だった最高出口温度を90℃まで高温化し、70℃以上の高温が求められる加熱殺菌工程、洗浄・脱脂工程などへヒートポンプの適用範囲を拡大した。
 高効率ロータリーインバータ圧縮機と二元冷媒サイクルを用いて、COP3.5の高効率を達成したことで、従来システムと比べて六〜七割という大幅な省エネとコストを削減できる。