初出展の笹原商事は調味料の新進定量ディスペンサー

ワンタッチ操作で調味料を正確に計量し、自動で定量
供給する新開発の調味料定量ディスペンサー

 厨房関連機器の笹原商事(鹿児島市、笹原憲久社長)は新製品の「調味料定量ディスペンサー」をはじめ、主力製品の油ろ過機、受注が拡大しているグリストラップ浄化剤を展示する。いずれも自社ブランド「ECOSAS」のオリジナル商品。
 FOOMAは今回が初出展。厨房スタッフの労務改善を開発テーマに掲げる笹原社長は「当社製品がどのような評価を受けるか、実力を試したい」と意気込みを語る。
 調味料定量ディスペンサー(型式ECS-TD)はワンタッチ操作でタレやソースなどの調味料を正確に計量し、自動で定量供給する。10ccからデジタル設定でき、ケチャップやマヨネーズなど高粘度の調味料にも対応可能(型式ECS-TDH)。
 最大の特長は高性能の供給ポンプとフロー(流量)センサーを使って定量供給を可能にしたこと。測定原理を使って流量を測りながら、制御回路が効率的に制御する独自の集積技術を開発し、ごく少量の液体でも計量できるようにした。
 衛生面にも配慮した。血液透析装置の原理を応用し、ポンプ内とチューブ内の汚れを洗浄液で除去した後、すすぐ工程をプログラム化している。開発に際しては韓国LG電子グループのベンダー技術を採用した。
 調理現場では調味料の計量にレードルなどの容器を使うことが多いが、手間がかかるほか、調理する人によって味がぶれるリスクがある。ワンタッチで定量供給できれば調理現場のオペレーションを簡素化でき、味の標準化が図れる。
 本体は卓上型の軽量設計。「厨房のテーブルに複数台置いて、調味料ごとに使用することを想定している」(笹原社長)という。外食チェーンやラーメンチェーン、ファストフード、ホテルなどに提案したいとしている。 

出荷2000台突破、高温油が使える油ろ過機

出荷台数が2000台を超えた油ろ過機、フライヤーの
清掃作業時間を大幅に短縮する

 主力製品の油ろ過機は「ほっともっと」や「やよい軒」、Aコープグループ、福岡や千葉の有力スーパーなどに導入先が広がり、出荷台数2000台を突破した。
 評価が高い最大の理由は、油の温度を下げることなく180℃の高温油をそのまま使ってろ過作業が行えること。ステンレス製ポンプを使っているためで、高温油でも破損するおそれがない。セルロース製不織布と活性炭素材を圧着した独自のろ過フィルターを使い、循環ろ過することでフライヤー内部まで清掃できる。業界初のリモコン搭載で油の吐出も自在。これまで1時間以上を要したフライヤー1槽の清掃時間を約約2分30秒に短縮する。
 「フライヤ―の清掃作業は女性が担当する場合が多く、導入先では彼女たちが清掃作業でとても喜んでくれている」(笹原社長)。作業負担の軽減だけでなく、油使用量の削減や揚げ物の品質維持にも貢献する。
 ろ過機はフライヤーの容量ごとに13ℓ、18ℓ、23ℓ、27ℓの4種類。国内で使われるフライヤーは18ℓが最も多いが、これに対応したろ過機は世界初の金型一体成型。狭い厨房でも使えるよう計量コンパクトにした。

グリストラップの油分を分解・消臭

 グリストラップ浄化剤は飲食店や食品工場に設置が義務付けられているグリストラップ(油水分離槽)の油分とヘドロを分解消臭して、排水管のつまりを防ぐ。
 浄化剤は木炭や純鉄、高炭素セラミックを主成分とした無機物で化学物質は一切使用していない。浄化剤から溶出したマイナスイオンや鉄イオンが汚泥内の微生物を増殖させ、その微生物が汚泥や油分を二酸化炭素と水に分解し水質の浄化、悪臭を軽減する。微生物では分解しきれない乳化した油分も分解する。
 厨房ではグリストラップの清掃を毎日行うが、中腰やかがんだ姿勢で臭いの強いヘドロをすくい上げるなど作業負担が大きい。この浄化剤を毎月1回、グリストラップの2槽目に入れるだけで清掃作業が楽になる。汚泥量が大幅に減少するため、専門業者による汚泥処理がなくなり、コスト削減にもつながる。
 さらに、特許技術で製造したナノファイバー(超極細繊維)を使った油吸着材を併用することで、油分だけでなく上澄みのゴミも一緒に取り除くことができる。
 グリストラップ浄化剤はファストフードチェーンや流通大手の鮮魚部門、給食センターですでに採用されている。展示会場では浄化剤と油吸着材を使って実演し「圧倒的な吸着力をPRしたい」(笹原社長)。
 ブース番号は南2D-33(南展示棟)。