食品内部の物性や成分を瞬時に測定、数値化

 雑賀技術研究所は食品の加工ラインに簡単に設置できる、コンベア一体型の品質検査装置「光品質チェッカーHOS−Fシリーズ」を1日発売した。近赤外線の透過測定を用いることで、食品の表面だけでなく内部の水分、糖分、原料の配合比率や内部物性異常を同時に最大6項目まで瞬時に測定できる。食品開発展(東京ビッグサイト、14〜16日)で紹介する。

  光品質チェッカー
  HOS−Fシリーズ

 食品の透過光量により自動的に感度調整するオートゲイン機能や、測定タイミングや測定時間を自動制御するインテリジェントトリガー機能を搭載。従来難しかった光の通りにくい食品やさまざまな形状・状態の食品にも対応できるようになった。
コンベア一体型のため食品加工ラインに簡単に設置できる。製造ラインに流れる半製品や完成品の上記成分を全量測定して、リアルタイムに不良品を検出除去したり、その時の測定データを前行程にフィードバックすることで、品質の安定化や不良品の削除に活用する。
 これまで専用の測定器がなく、熟練者の経験や勘によって管理されてきた品質項目についても、数値化や良、不良の判別ができるので、個人差のない品質管理ができる。
 このセンシング技術は、同社が開発した農産物の糖度や酸度を高速測定する光センサー技術を応用し、コンベア、タッチパネル、不良品除去機構を一体型装置として新たに開発したもの。
 販売価格は500万円。初年度は50台の販売を見込む。