全国の食品産業(製造業、卸売業、小売業、飲食店)の76%が東日本大震災による地震や津波で直接あるいは間接的に影響を受けていたことが、日本政策金融公庫(日本公庫)農林水産事業の2011年上半期食品産業動向調査(調査対象先6659社、回答社2666社、回答率40%)で分かった。7%の企業が「今後に大震災の影響が出てくる」と懸念している。
福島原発の事故では、全国の食品産業の53%が影響を受けたとしている。原発事故に関しては、今後に影響が出てくると見込んでいる企業が14%と、大震災の影響に比べ2倍になっていることが特徴的。
大震災や原発事故による具体的な影響として、マイナス影響は「売上高の減少」が62%と最も多く、次に「仕入れ価格の上昇」が52%。プラス面では「取引先からの引き合い・需要の増加」が12%、マイナス影響で最も多かった「売上高の減少」がある反面で「売上高の増加」も12%。
影響への対応(複数回答)としては「仕入先・製品・商品の変更・開拓」が47%と最も多く、「納入先・販売ルートの開拓・強化」が32%、「正確な情報の収集・提供」が31%、「被災取引先への支援(支払猶予、人的応援)」などが22%となった。
そのほか、電力不足による計画停電の影響、原発事故の風評被害、輸出の減少、設備投資の遅れなどが挙げられている。
調査時点は7月1日。郵送で調査票を配布し、郵送またはFAXで回収した。今回の調査では食品関係企業7083社のうち、東日本大震災の被害を大きく受けた青森県で32社、岩手県で43社、宮城県で212社、福島県で40社、茨城県で66社、千葉県で31社、計424社を調査対象から除いた。